6話写経

花丸「前回の!」

「「「ラブライブ!サンシャイン!!」」」

善子『みんな一緒に堕天しましょ?』

花丸「堕天使キャラをどうしても忘れられない善子ちゃん」

千歌『これだよ!』

花丸「千歌ちゃんはAqoursを堕天使スクールアイドルとして特徴を出そうと提案」

ダイヤ『破廉恥というのですわ!!!』

花丸「でもやめなきゃいけないことになって――」

善子『高校生にもなって通じないよ』

花丸「そんな善子ちゃんに、千歌ちゃんは――」

千歌『自分が一番好きな姿を、輝いてる姿を見せることなんだよ!』

花丸「そして――」

 

 

ダイヤ「どういうことですの!?」

鞠莉「……書いてある通りよ。沼津の高校と統合して、浦の星女学院は廃校になる。わかっていたことでしょう?」

ダイヤ「それは……そうですけど」

鞠莉「ただ、まだ決定ではないの。まだ待ってほしいと、私が強く言ってるからね」

ダイヤ「鞠莉さんが?」

鞠莉「何のために、私が理事長になったと思っているの?」

鞠莉「……この学校は失くさない。私にとって、どこよりも……大事な場所なの」

(幼少期の噴水前の記憶)

ダイヤ「……方法はあるんですの?入学者はこの2年、どんどん減っているんですのよ」

鞠莉「だからスクールアイドルが必要なの」

ダイヤ「鞠莉さん……」

鞠莉「あの時も言ったでしょう、私は諦めないと。今でも決して、終わったとは思っていない」手を差し出す

ダイヤ「……」

ダイヤ「……わたくしは、わたくしのやり方で廃校を阻止しますわ」

鞠莉「……ほんと、ダイヤは好きなのね……果南が」

 

OP

 

善子「そ、そうよねー!マジ、ムカつくー、よねー?よねー……?よね……?」

「だよねー!」「じゃーねー」

善子「またねー!」

「善子ちゃん面白いよね」「ほんと」

善子「……つかれた」

善子「たはー……普通って難しい……」

花丸「無理に普通にならなくてもいいと思うずらー……よ!」

善子「ぎらん!」

善子「深淵の深き闇から……ヨハネ、堕天!――っは!?」

花丸「やっぱり善子ちゃんはそうじゃないと」

ルビィ「大変、大変だよ!」

花丸「どうしたの?」

ルビィ「大変!学校が――!」

「「「「「統廃合!!?」」」」」

ルビィ「……そうみたいです」

ルビィ「沼津の学校と合併して、浦の星女学院は無くなるかもって……」

曜「そんなぁ!?」

梨子「いつ!?」

ルビィ「それは、まだ……一応、来年の入学希望者の数を見て、どうするか決めるらしいんですけど……」

「「「「「……」」」」」

千歌「…………廃校?」

ようりこ「え?」

千歌「来た!ついに来た!!!」

千歌「統廃合ってつまり廃校ってことだよね!?学校のピンチってことだよね!?」

曜「千歌ちゃん?」

梨子「まあそうだけど……」

曜「なんだか、心なしかうれしそうに見えるけど……」

千歌「だって――!!」

千歌「廃校だよーー!!音ノ木坂と、一緒だよー!!!」

「「「「「!?」」」」」

千歌「これで舞台は整ったよ!私たちが学校を救うんだよー!」

善子「!?」

千歌「そして輝くの!あの、μ'sのように!!っふぅ!」

善子「……」

曜「……」

梨子「そんな簡単にできると思ってるの……」

ルビィ「花丸ちゃんはどう思う?」

花丸「…………統廃合~~!?」

ルビィ「こ、こっちも!」

花丸「が、合併ということは沼津の高校になるずらね!?あの街に通えるずらよね!?」

ルビィ「ま、まぁ……」

花丸「ぅうわぁあぁ~~~!!!」

善子「相変わらずね、ずら丸。昔からこんな感じだったし」

曜「そうなの?」

花丸『ずら~~~!未来じゅら~~~!』

善子『えぇ……?』

曜「そうだったんだ……」

ルビィ「善子ちゃんはどう思う?」

善子「そりゃ統合した方がいいに決まってるわ!私みたいな流行に敏感な生徒も集まってるだろうし!」

花丸「よかったずらね~!中学の頃の友達に会えるずら~!」

善子「統廃合絶対反対~~~!!!!」

ルビィ「あはは……」

千歌「とにかく、廃校の危機が学校に迫っているとわかった以上、Aqoursは学校を救うため――行動します!えへっ」

曜「ふふっ、ヨーソロー!スクールアイドルだもんね!」

梨子「でも、行動って何するつもり?」

千歌「……」

千歌「……へ?」

「「「「「え?」」」」」

 

 

千歌「結局、μ'sがやったのはスクールアイドルとしてランキングに登録して……」

千歌「……ラブライブに出て、有名になって……」

千歌「……生徒を集める」

曜「それだけなの?」

千歌「みたい……。あとは……」

 

 

ダイヤ「はぁ……そもそも受験人数が減っているんですのね……」

コンコン

ダイヤ「はい」

ルビィ「……お姉ちゃん?」

ダイヤ「どうしたんですの?」

ルビィ「実は、今日もちょっと遅くなるかもって……」

ダイヤ「今日も?」

ルビィ「うん、千歌ちゃんが入学希望者を増やすために、PV作るんだって言ってて」

ダイヤ「……」

ルビィ「……ぅぅ」

ダイヤ「……わかりましたわ」

ルビィ「――!」

ダイヤ「お父様とお母様に言っておきますわ」

ルビィ「いいの!?ほんとに!?」

ダイヤ「ただし、日が暮れる前には戻ってきなさい」

ルビィ「うん!じゃあ、行ってくる!」

ダイヤ「……どう?スクールアイドルは」

ルビィ「……!」

ルビィ「……大変だけど、楽しいよ」

ダイヤ「……そう」

ルビィ「……他の生徒会の人は?」

ダイヤ「みんな他の部と兼部なので忙しいのですわ」

ルビィ「……そう……」

ルビィ「……」

ルビィ「……お姉ちゃ――」

ダイヤ「早く行きなさい」

ルビィ「っ……」

ダイヤ「遅くなりますわよ」

ルビィ「……」

 

 

梨子「内浦のいいところ?」

千歌「そう!東京と違って、外の人はこの町のこと知らないでしょ?だからまずこの町のいいところを伝えなきゃって!」

善子「それでPVを?」

千歌「うん!μ'sもやってたみたいだし、これをネットで公開して、みんなに知ってもらう――」

花丸「知識の海ずら~」

千歌「――というわけで!ひとつよろしく!」

花丸「わぁ!?いや、マ、マルには無理ず、いやぁ、無理」

ルビィ「……!……ピギッ!」

曜「?あれ?」

善子「――見える!あそこーーー……よっ!」

「「「?」」」

ルビィ「違いますぅー!べーっ!」

曜「さっ」

ルビィ「ピギィッ!?」

千歌「おおー、なんだかレベルアップしてる!」

梨子「そんなこと言ってる場合!?」

花丸『』カット

千歌『どうですかー!?この雄大な富士山!!』

梨子『』カット

千歌『それと、この綺麗な海!』

ルビィ『』カット

千歌『さらに、みかんがどっさり!』

千歌『そして町にはー!……えっと、町には…………特に何もないです!』

曜「……それ言っちゃダメ」

千歌「うぅーん、じゃあ……」

曜『バスでちょっと行くと、そこは大都会!』

曜『お店もたーくさんあるよー!』

千歌『……そしてー……!ちょっとぉー……!』

梨子『……自転車で……!坂を越えると……はぁ……!そこには、伊豆長岡の、商店街が……!』

花丸「全然……ちょっとじゃない……」

ルビィ「沼津に行くのだって……バスで500円以上かかるし……!」

善子「…………いい加減にしてよ……」

千歌「うーん……じゃあ……」

善子『うふふ……ふふ……リトルデーモンのあなた、堕天使ヨハネです。今日は、このヨハネが堕ちてきた地上を紹介してあげましょう』

善子『まず、これが……土!!あーっはっはっは!!』

花丸「やっぱり善子ちゃんはこうでないと」

善子「うぇぇ……」

曜「……根本的に考え直した方がいいかも」

千歌「そーお?面白くない?」

梨子「面白くてどうするの!」

ルビィ「あははは……」

 

 

「はーい、おまちどおさま。こんなに大人数なんて珍しいわね。ごゆっくり」

善子「……」

善子「……どうして喫茶店なの?」

ルビィ「もしかして、この前騒いで家族の人に怒られたり……」

千歌「ううん、違うの。梨子ちゃんがしいたけいるなら来ないって」

梨子「行かないとは言ってないわ!ちゃんと繋いでおいてって言ってるだけ」

千歌「いや、でも……」

曜「ここら辺じゃ、家の中だと放し飼いの人の方が多いかも」

梨子「そんな……」

ワン!

梨子「またまた……」

ワン!

ルビィ「わぁ~!」

梨子「……!!!」

千歌「こんなに小さいのに!?」

梨子「大きさは関係ないの!そのキバ!」

梨子「……そんなので噛まれたら……死!!!」

千歌「噛まないよ……ねー、わたちゃん」

梨子「あ、危ないわよ!そんな顔近づけたら……!」

千歌「そうだ!わたちゃんで少し慣れるといいよ!」

梨子「は……!!」

ペロリ

梨子「あぁあぁ!!!」

曜「梨子ちゃーん!」

梨子「話は聞いてるから!早く進めて!」

千歌「しょうがないなあ……できた?」

善子「簡単に編集しただけだけど……お世辞にも、魅力的とは……言えないわね」

ルビィ「やっぱりここだけじゃ難しいんですかね……」

千歌「うーん……」

千歌「……じゃあ沼津の賑やかな映像を混ぜて――」

千歌『これが私たちの街です!』

梨子「そんなの詐欺でしょ!」

千歌「なんでわかったの!?」

ルビィ苦笑い、花丸どら焼きを頬張る

曜「だんだん行動パターンがわかってきているのかも……」

曜「?」

千歌「そっか……」

曜「うわぁ!終バス来たよ!」

善子「うそーっ!」

 

善子「ふふふ、ではまた」

曜「ヨーシコー!」

善子「うっ」

千歌「結局何も決まらなかったなぁ……」

ルビィ「~~!!こんな時間!!失礼します!!ほら花丸ちゃん、口にあんこついてるよ!」

花丸「~~~」

千歌「意外と難しいんだなぁ、いいところを伝えるのって」

梨子「住めば都。住んでみないと分からない良さも、たくさんあると思うし」

千歌「うん。でも、学校が無くなったらこういう毎日も無くなっちゃうんだよね……」

梨子「そうね……」

千歌「スクールアイドル、頑張らなきゃ」

梨子「今更?」

千歌「だよね。でも……今、気がついた。無くなっちゃダメだって」

千歌「……私、この学校好きなんだ」

梨子「!……ふふ。うん!」

 

 

鞠莉「……」

鞠莉「来るなら来ると先に言ってよ。勝手に入ってくると家の者が激おこぷんぷん丸だよ?」

果南「……廃校になるの?」

鞠莉「ならないわ。でも、それには力が必要なの」

復学届

鞠莉「だからもう一度、果南の力がほしい」

果南「……」

果南「……本気?」

鞠莉「……私は果南の、ストーカーだから」

果南「……」

 

Bパート

 

鞠莉「……」

千歌「……!」ゴクリ

ルビィ『以上、がんばルビィ!こと、黒澤ルビィがお伝えしました!』201607

千歌「どうでしょうか?」

鞠莉「……」

鞠莉「zzz……っは!?」

「「「「「」」」」」ガクッ

千歌「もう!本気なのに、ちゃんと見てください!」

鞠莉「本気で?」

千歌「はい!」

鞠莉「……それでこのテイタラークですか?」

千歌「テイタラク?」

曜「それは、さすがにひどいんじゃ……」

梨子「そうです!これだけ作るのがどれだけ大変だったと思ってるんで――」

鞠莉「努力の量と結果は比例しません!」

鞠莉「大切なのはこのtownやschoolの魅力を、ちゃんと理解してるかです!」

ルビィ「それってつまり……」

花丸「私たちが理解してないということですか?」

善子「じゃあ理事長は、魅力が分かってるってこと?」

鞠莉「……少なくとも、あなたたちよりは」

鞠莉「……聞きたいですか?」

千歌「……!」

 

 

梨子「どうして聞かなかったの?」

千歌「なんか……聞いちゃダメな気がしたから」

善子「何意地張ってんのよ」

千歌「意地じゃないよ」

善子「?」

千歌「それって大切なことだもん。自分で気付けなきゃ、PV作る資格ないよ」

梨子「……そうかもね」

千歌「……!」

曜「ヨーソロー!じゃあ、今日は千歌ちゃん家で作戦会議だ!」

梨子「!?」

曜「喫茶店だってタダじゃないんだから、梨子ちゃんもがんばるビィして!」

梨子「はぁ……」

千歌「ふふっ、あははは!」

千歌「よーし!……あ、忘れ物した」

「「「「こけっ」」」」ガクッ

千歌「ちょっと部室見てくるー!」

梨子「もう……」

 

千歌「ふふっ、えへへ」

千歌「……?」

ダイヤ「――」

千歌「……!!」

ダイヤ「――」

千歌「」パチパチ

ダイヤ「……?」

千歌「すごいです!私、感動しました!」

ダイヤ「な、なんですの!?」

千歌「ダイヤさんがスクールアイドルが嫌いなのは分かってます」

千歌「でも、私たちも学校続いてほしいって、無くなってほしくないって思ってるんです」

千歌「……一緒にやりませんか?スクールアイドル!」

ルビィ「お姉ちゃん……」

ダイヤ「……」

ダイヤ「残念ですけど……ただ、あなたたちのその気持ちは、うれしく思いますわ。お互い頑張りましょう」

ルビィ「……」

曜「……ルビィちゃん、生徒会長って前は、スクールアイドルが……」

ルビィ「はい、ルビィよりも大好きでした……」

千歌「……!」

ルビィ「――!!!」

千歌「!?」

ルビィ「今は言わないで……!」

千歌「……ルビィちゃん……」

ルビィ「……ごめんなさい」

 

 

ダイヤ「……」

(2年前のライブの回想)

鞠莉「ダイヤ、逃げていても、何も変わりはしないよ?」

鞠莉「進むしかない、そう思わない?」

ダイヤ「逃げてるわけじゃありませんわ。あの時だって……」

鞠莉「……ダイヤ?」

ダイヤ「……」

鞠莉「……」

 

 

梨子「……」

曜「しいたけいないよ!ね、千歌ちゃん!」

善子「……」

ルビィ「……」

花丸「……」

善子「それよりもPVだよ、どうすんの?」

花丸「確かに何も思いついてないずら……」

梨子「それはそうだけど……」

志満「あら、いらっしゃい」

志満「みんなで相談?」

梨子「はい」

志満「いいけど、明日みんな早いんだから、今日はあんまり遅くなっちゃダメよ?」

「「「「はーい」」」」

梨子「明日朝早いの?」

曜「さあ、何かあったかな……」

千歌「海開きだよ!」

曜「あれ!?千歌ちゃん!」

梨子「じゃあ……!」

しいたけ「ワン!」

 

 

梨子「ふわぁぁ~……」

千歌「おーい!梨子ちゃーん!」

曜「おはヨーソロー!」

梨子「おはよう」

千歌「梨子ちゃんの分もあるよ」

曜「こっちの端から、海の方に向かって拾っていってね」

梨子「……」

梨子「……曜ちゃん」

曜「?なに?」

梨子「毎年、海開きってこんな感じなの?」

曜「うん、どうして?」

ルビィ、花丸、善子

梨子「この町って、こんなにたくさん人がいたんだ……」

ダイヤ、果南

曜「うん!町中の人が来てるよ。もちろん、学校のみんなも!」

鞠莉→ダイヤ、果南に近づく

梨子「そうなんだ……」

梨子「……」

梨子「……!これなんじゃないかな、この町や学校のいいところって」

千歌「……そうだ!」

果南「?」

鞠莉「?」

ダイヤ「?」

善子「?」

花丸「?」

ルビィ「?」

千歌「……ふぅ」

千歌「……あのー!みなさん!」

千歌「私たち、浦の星女学院でスクールアイドルをやっている、Aqoursです!」

千歌「私たちは、学校を残すために、ここに生徒をたくさん集めるために、みなさんに協力してほしいことがあります!」

千歌「――みんなの気持ちを形にするために!」

夢で夜空を照らしたい

鞠莉、少し驚いた表情 果南、見守る ダイヤ、口を少し開けて見惚れる?

 

千歌「――私、心の中でずっと叫んでた」

千歌「『助けて』って、『ここには何もない』って」

千歌「でも、違ったんだ!」

千歌「……追いかけてみせるよ!ずっと、ずっと……!」

曜だけ驚いた顔

千歌(――この場所から始めよう!できるんだ!)

 

ED