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11話写経

千歌「しっかりね」

梨子「お互いに」

ルビィ「梨子ちゃん、がんばルビィ!」

ダイヤ「東京に負けてはダメですわよ!」

曜「そろそろ時間だよ」

梨子「うん」

鞠莉「チャオ、梨子」

果南「気をつけて」

花丸「ファイトずら」

千歌「……」

千歌「……梨子ちゃん!」

梨子「?」

千歌「次は、次のステージは、絶対みんなで歌おうね!」

梨子「ふふっ、もちろん!」

 

ダイヤ「……さあ、練習に戻りますわよ!」

果南「よし、これで予備予選で負けるわけにはいかなくなったね!」

鞠莉「なんか気合が入りマース!」

曜「ね、千歌ちゃん?」

曜「……?」

千歌「……」

曜「……」

千歌「……」

曜「千歌ちゃん……」

 

OP

 

ダイヤ「特訓、ですわ!」

「「「……」」」

千歌「……また?」

花丸「本当に好きずら」

ルビィ「あぁ!」

「「「?」」」

千歌「これって、Saint Snow!」

ルビィ「先に行われた北海道予備予選をトップで通過したって!」

果南「へぇ、これが千歌たちが東京で会ったっていう……」

千歌「がんばってるんだ……!」

果南「気持ちはわかるけど、」

「「「?」」」

果南「大切なのは目の前の予備予選!まずはそこに集中しない?」

鞠莉「果南にしては随分堅実ね?」

果南「誰かさんのおかげで、いろいろ勉強したからね」

ダイヤ「では、それを踏まえて――」

 

千歌「――なんで……」

千歌「こう、なるの!」

ダイヤ「文句言ってないでしっかり磨くのですわ!」

ルビィ「でっでででも足元がぬるぬるし――!」

花丸「ずらっ!?」

ルビィ「ピギィ!?」

千歌「これで特訓になるの?」

鞠莉「ダイヤがプール掃除の手配を忘れていただけねー」

ダイヤ「忘れていたのは鞠莉さんでしょう!?」

鞠莉「言ったよ?夏休みに入ったら、プール掃除なんとかしろって」

ダイヤ「だからなんとかしてるじゃないですか!」

鞠莉「へぇ~!『なんとか』ね~?」

「「むむむ……!!」」

善子「生徒会長と理事長があんなんで大丈夫?」

果南「私もそう思う……」

千歌「まあでも、みんなで約束したもんね。生徒会長の仕事は手伝うって」

曜「そうだよ!みんなちゃんと磨かなきゃ!」

千歌「うんうん」

曜「ヨーソロー!」

千歌「うっ……」

曜「デッキブラシと言えば甲板磨き!となれば、これですっ!……ぅわったぁー!」

ダイヤ「あなた、その格好はなんですの!?遊んでいる場合じゃないですわよ!?本当にいつになったら終わるのやら……」

千歌「……えへっ」

曜「……ふふっ」

 

 

ルビィ「綺麗になったね」

花丸「ぴっかぴかずら!」

ダイヤ「ほら見なさい?やってやれないことはございませんわ!」

「「「えぇーー!!?」」」

果南「そうだ、ここでみんなでダンス練習してみない?」

鞠莉「Oh, funny!おもしろそう!」

ダイヤ「滑って怪我しないでよ?」

鞠莉「ちゃんと掃除したんだし、平気よ!」

果南「じゃあ、みんなポジションについて」

 

「「「……」」」

千歌「……?あれ?」

果南「そっか、梨子ちゃんがいないんだよね」

ダイヤ「そうなると、今の形はちょっと見栄えがよろしくないかもしれませんわね」

花丸「変えるずら?」

果南「それとも、梨子ちゃんの位置に誰かが代わりに入るか……」

鞠莉「代役って言ってもねー……」

果南「!」

ルビマル「「……!」」

ダイよし「「……?」」

曜「……?……え?……ん?」

千歌「うん!」

曜「……へ?へ?私!?」

 

果南「1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8」

千歌「あっ、あれ~……?」

曜「まただ……」

ダイヤ「これでもう10回目ですわね……」

果南「曜ちゃんなら合うかと思ったんだけどな」

曜「私が悪いの。同じところで遅れちゃって……」

かなダイ「「……」」

千歌「あぁ違うよ、私が歩幅、曜ちゃんに合わせられなくて……」

鞠莉「……」

果南「まあ、身体で覚えるしかないよ。もう少し頑張ってみよ?」

果南「……じゃあ、行こうか!」

果南「1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8」

果南「1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8...」ドン

千歌「あっ、ごめん!」

曜「ううん、私が早く出過ぎて……」

鞠莉「……」

曜「ごめんね、千歌ちゃん。えへへ……」

 

 

ルビィ「」ピチュウウウウウウ

花丸「」ツルゥゥゥゥ

ルビィ「ふぅう、生き返る~……」

花丸「みかん味おいしいずら~!」

善子「リトルデーモンのみなさん!」

ルビマル「「!」」

善子「私に力を!漆黒卿の力を!この隻手に!」

D

「D賞でーす」

善子「堕天の、D……」

ルビマル「「……」」

ルビィ「2人、まだ練習してるんだね!」

 

千歌「ぅわたっ」

曜「ごめん!」

千歌「ううん、私がいけないの。どうしても梨子ちゃんと練習してた歩幅で動いちゃって……」

曜「……」

千歌「もう一度やってみよう!」

曜「……うん!」

千歌「じゃあ行くよ?」

「ずら」「ピギィ」「ぎらん」

曜「千歌ちゃん!」

千歌「?」

曜「もう一度、梨子ちゃんと練習してたとおりにやってみて?」

千歌「え?でも……」

曜「いいから!行くよ!」

千歌「……?」

曜「せーの!」

曜「1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8」

善子「おぉ!天界的合致!」

千歌「曜ちゃん!」

曜「これなら大丈夫でしょ?」

千歌「う、うん。さすが曜ちゃん、すごいね……」

rrr

梨子「あ、千歌ちゃん?今平気?うん、そう。東京のスタジオ着いたから、連絡しておこうかと思って」

梨子「……うん、なんか1人じゃもったいないくらいで」

千歌「えへへ。あ、ちょっと待って!みんなに代わるから。花丸ちゃん!」

花丸「!?え、えーっと……もすもす?」

梨子『もしもし、花丸ちゃん?』

花丸「み、未来ずら~~!」

善子「なに驚いてるのよ、さすがにスマホくらい知って――」

梨子『あれ、善子ちゃん?』

善子「えっ!?……フッフ、このヨハネは堕天で忙しいの……別のリトルデーモンに代わります!」

梨子『……もしもし?』

ルビィ「……ピ、ピギィィィィィィ!」

千歌「どうしてそんなに緊張してるの?梨子ちゃんだよ?」

花丸「電話だと緊張するずら。東京からだし!」

千歌「東京関係ある?」

曜「……」

千歌「じゃあ、曜ちゃん!」

曜「え?」

千歌「梨子ちゃんに話しておくこと、ない?」

曜「……うん……」

ピーッピーッ

千歌「あ、ごめん電池切れそう……」

曜「……」

千歌「またって言わないでよー!まただけど……」

梨子「ふふっ、じゃあ切るわね。他のみんなにもよろしく」

千歌「うん!」

千歌「よかったー、喜んでるみたいで」

曜「……」

曜「……」アイスを見つめる

千歌「じゃあ曜ちゃん!」

曜「?」

千歌「私たちも、もうちょっとだけがんばろっか!」

曜「……うん、そうだね!」アイスを隠す

 

 

ダイヤ「……」

果南「こんなに仕事溜めて……1人で抱え込んでたんでしょ?」

ダイヤ「違いますわ!これはただ……」

鞠莉「仕方ないなー、これからは私と果南が手伝ってあげましょう!……ん?」

新規部活動申請書

鞠莉「あれは……?」

ダイヤ「スクールアイドル部の申請書ですわ、以前千歌さんが持ってきた」

鞠莉「あら!最初は千歌っちと曜の2人だったのね」

果南「意外?」

鞠莉「てっきりstartは、千歌っちと梨子だとばかり思ってました」

ダイヤ「まあ、確かにそう見えなくもないですわね。今の状況からすると」

渡辺 曜

鞠莉「そうですね……」

 

 

曜「……」

曜「……これでよかったんだよね……」

鞠莉「……うりゃっ!Oh, これは果南にも劣らぬ――」

曜「――とりゃああああ!」

鞠莉「い……?」

鞠莉「Ouch!」

曜「?……!ま、鞠莉ちゃん!?」

鞠莉「えへへ……」

 

Bパート

 

曜「千歌ちゃんと?」

鞠莉「はい!上手く行ってなかったでしょ?」

曜「あ、あぁ……それなら大丈夫!あの後2人で練習して上手く行ったから!」

鞠莉「いいえ、ダンスではなく」

曜「え?」

鞠莉「千歌っちを梨子に取られて、ちょっぴり嫉妬FIRE~~~が燃え上がってたんじゃないの?」

曜「っ!?嫉妬!?ま、まさか、そんなことは……はうううう!!」

鞠莉「ぶっちゃけトーーク!する場ですよ、ここは」

曜「鞠莉ちゃん……」

鞠莉「話して。千歌っちにも梨子にも話せないでしょ?ほら」

曜「……」

曜「……私ね、昔から千歌ちゃんと一緒に何かやりたいなーって、ずっと思ってたんだけど」

曜「そのうち、中学生になって――」

千歌『そっか、曜ちゃん水泳部にしたんだ』

曜『千歌ちゃんは?』

千歌『私は……』

曜「――だから、千歌ちゃんが一緒にスクールアイドルやりたいって言ってくれたときは、すごく嬉しくて」

曜「これでやっと一緒にできるって思って。でも」

回想

曜「すぐに梨子ちゃんが入って、千歌ちゃんと2人で歌作って――」

曜「――気付いたら、みんなも一緒になってて。それで、思ったの」

曜「……千歌ちゃん、もしかして私と2人は、嫌だったのかなぁって……」

鞠莉「Why?なぜ?」

曜「私、全然そんなことないんだけど、なんか要領いいって思われてることが多くて」

曜「だから、そういう子と一緒にって、やりにくいのかなって……」

鞠莉「……えいっ」

曜「いたっ」

鞠莉「なに1人で勝手に決めつけてるんですか?」

曜「だって……」

鞠莉「うりゃうりゃうりゃうりゃ!」

鞠莉「曜は千歌っちのことが大好きなのでしょう?」

曜「?」

鞠莉「なら、本音でぶつかった方がいいよ」

曜「……?」

鞠莉「大好きな友達に本音を言わずに、2年間も無駄にしてしまった私が言うんだから、間違いありません!」

曜「……!」

 

 

曜「本音をぶつける、か……ううっ」

 

曜「おはよー!!」

千歌「あ、曜ちゃん!見てみて、これ!」

曜「?」

千歌「ほら!」

曜「わぁ、かわいい!どうしたの、これ?」

千歌「みんなにお礼だって送ってくれたの!梨子ちゃんが!」

曜「――!」

曜「……へぇー」

千歌「いいでしょー?梨子ちゃんもこれ付けて演奏するって!」

曜「……」

千歌「曜ちゃんのもあるよ!はい!」

曜「あ、ありがと……」

ダイヤ「特訓始めますわよー?」

「「「はーい!!!」」」

曜「……」シュシュを見つめる

千歌「曜ちゃん着替え急いでね!」

曜「……千歌ちゃん!」

千歌「?」

曜「…………がんばろうね!」

千歌「うん!」

 

 

曜「はぁ、結局話せなかった……」

曜「……本音って言っても、私なんて言えばいいんだろう――」

 

曜『千歌ちゃん!私と梨子ちゃん、どっちが大切なの?はっきりして!』

 

曜「――って、いやいや、違うよね……」

 

曜『千歌ちゃん……私のことあんまり、好きじゃないよね?』

千歌『?』

 

曜「――これもちがーーーーう!!!!」

曜「なら――!」

 

曜『私、渡辺曜は千歌ちゃんのことが、全速前進、ヨーソロー!』

千歌『……?』

 

曜「――ほわああああーーっ!……なんかわけわかんなくなってきた……」

rrr

曜「?」

桜内梨子 着信中

曜「……」

曜「……もしもし?」

曜「……ううん、平気平気。何かあったの?」

梨子「うん、曜ちゃんが私のポジションで歌うことになったって聞いたから。ごめんね、私のわがままで」

曜『ううん、全然』

梨子「私のことは気にしないで。2人でやりやすい形にしてね」

曜『でも、もう……」

梨子「……」

梨子「……無理に合わせちゃダメよ。曜ちゃんには曜ちゃんらしい動きがあるんだし」

曜『そうかな……』

梨子「千歌ちゃんも絶対そう思ってる」

曜『……そんなこと、ないよ……』

梨子「え?」

曜「千歌ちゃんの傍には、梨子ちゃんが一番合ってると思う。だって……」

曜「……千歌ちゃん、梨子ちゃんと居ると嬉しそうだし。梨子ちゃんのために、頑張るって言ってるし……」

梨子「……そんなこと思ってたんだ」

曜「……」ホロ

曜「っ!」

梨子『……千歌ちゃん、前話してたんだよ』

曜「え?」

 

梨子『うん、じゃ』

曜「……」

曜「千歌ちゃんが……」

千歌「――曜ちゃん!」

曜「……?」

曜「……」

千歌「――曜ちゃーん!!」

曜「……!!」

曜「千歌ちゃん……!どうして……!?」

千歌「練習しようと思って!」

曜「練習?」

千歌「うん!」

千歌「考えたんだけど、やっぱり曜ちゃん、自分のステップでダンスした方がいい!合わせるんじゃなくて、1から作り直した方がいい!」

千歌「――曜ちゃんと私の2人で!!」

曜「…………!!!」

曜「……っ!」

千歌「曜ちゃん!?」

 

曜「……!」

梨子『あのね。千歌ちゃん、前話してたんだよ』

梨子『曜ちゃんの誘い、いっつも断ってばかりで、ずっとそれが気になっているって』

梨子『だから、スクールアイドルは絶対一緒にやるんだって』

梨子『絶対曜ちゃんとやり遂げるって!』

曜「……」

千歌「あ……!……ん?」

曜「……」背を向ける

千歌「曜ちゃん……?」

曜「……」後ろに手を伸ばす

曜「……汗びっしょり……どうしたの?」

千歌「バス終わってたし、美渡姉たちも忙しいって言うし……」

曜「……っ」

千歌「曜ちゃん、なんかずっと気にしてたっぽかったから。居ても立ってもいられなくなって、へへ……」

千歌「……?」

曜「…………私、バカだ」

曜「バカヨウだ……!!」

千歌「バカヨウ……?……うわぁっ!?」

曜「っ……!」

千歌「ああっ、汚れるよー!」

曜「いいの!」

千歌「風邪引くよ!」

曜「いいの!!」

千歌「恥ずかしいってー!」

曜「いいの!!!」

千歌「もうなに、なんで泣いてんのー?」

曜「いいのー!!!!」

千歌「えへへ、なになに??」

 

 

「「「……」」」

曜「」頷く

千歌「」頷いてシュシュを見つめる

梨子「……」

梨子「……そろそろね」シュシュを見る

 

千歌「さあ行こう!ラブライブに向けて!私たちの第一歩に向けて!」

千歌「今、全力で輝こう!」

千歌「Aqours!」

「「「サンシャイン!!」」」

 

梨子『私ね、分かった気がするの(I think I get it now)。あのとき、どうして千歌ちゃんがスクールアイドルを始めようと思ったのか。スクールアイドルじゃなきゃ、ダメだったのか(Why she had to be a school idol)』

曜『うん!千歌ちゃんにとって、輝くっていうことは自分ひとりじゃなくて(shining isn't about herself,)誰かと手を取り合い、みんなで一緒に輝くことなんだよね(it's joining hands with others and shining all together)」

梨子『私や曜ちゃんや、普通のみんなが集まって(With me and you, and everyone else,)ひとりじゃとても作れない、大きな輝きを作る(we shined much brighter than anyone could alone)』

梨子『その輝きが、学校や聴いてる人に広がっていく。繋がっていく』

曜『それが、千歌ちゃんがやりたかったこと。スクールアイドルの中に見つけた、輝きなんだ』

 

想いよひとつになれ

 

ED

10話写経

鞠莉「前回の!」

「「「ラブライブ!サンシャイン!!」」」

鞠莉「Aqoursの活動を複雑な気持ちで見ていた果南」

鞠莉『果南』衣装を差し出す

鞠莉「復学した果南はAqoursへのreturnを拒否したの」

ダイヤ『東京のイベントで果南さんは歌えなかったんじゃない。わざと歌わなかったんですの』

鞠莉「そこには、果南の本当の想いが」

果南『ハグ……しよ』

鞠莉「こうしてAqoursは、ついにパーフェクトナインとなったのです」

 

LINE

梨子『歌詞は?』

千歌『ゴメン(スタンプ)』

千歌『明日には必ず…』

梨子「はぁ……」

梨子『そのスタンプ見飽きた』

千歌『ゴメン(違うスタンプ)』

梨子「……」

梨子『そんなもの用意する時間があったら早く書いて』

梨子『GRR(怒)』

千歌『(スタンプ3連打)』

梨子「はぁ……」

メール着信

梨子「?」

梨子「……!」

出場登録期限のお知らせ

※このメールではピアノコンクールについてご案内させていただいております。

桜内 梨子 様

この度、開催されますピアノコンクールの出場登録期限が迫っておりますので、お知らせ致します。

ご確認の上、当事務局までご連絡いただけますでしょうか。

梨子「…………」

 

OP

 

千歌「あ゛つーいー……」

花丸「ずら~……」

善子「天の業火に闇の翼が……」

ルビィ「その服やめた方がいいんじゃ……」

曜「どうしたんですか?全員集めて」

ダイヤ「ふっふっふ……」

ダイヤ「さて!いよいよ今日から夏休み!」

鞠莉「Summer Vacationと言えばー!?」

ダイヤ「はい、あなた!」

千歌「えっ!?……やっぱり、海だよね?」

曜「夏休みは、パパが帰ってくるんだ!」

花丸「マルはおばあちゃん家に」

善子「――夏コミ!」

ダイヤ「💢💢……ぶっぶーですわ!!!あなたたちそれでもスクールアイドルなのですか!!?片腹痛い、片腹痛いですわ!」

「「「ゴクリ……」」」

 

 

千歌「だったら、なんだって言うんです?」

ダイヤ「いいですか?みなさん、夏と言えば?はい、ルビィ」

ルビィ「……たぶん、ラブライブ!

ダイヤ「さすが我が妹、かわいいでちゅねぇ~よくできまちたねぇ~」

ルビィ「がんばルビィ!」

千歌「……」

花丸「……」

善子「何この姉妹コント」

ダイヤ「コント言うな!夏と言えばラブライブ!その大会が開かれる季節なのです!」

ダイヤ「!」バッ

ルビィ「――!」サッ

ダイヤ「ラブライブ予選突破を目指して、Aqoursはこの特訓を行います!」

ダイヤ「これは、わたくしが独自のルートで手に入れたμ'sの合宿のスケジュールですわ!」

ルビィ「すごいお姉ちゃん!」

花丸「……遠泳10km……?」

善子「ランニング15km……」

千歌「こんなの無理だよ……」

果南「ま、なんとかなりそうね」

「「「!?」」」

曜「えっへへ」

ダイヤ「熱いハートがあればなんでもできますわ!」

ルビィ「ふんばルビィ!」

曜「なんでこんなにやる気なの……?」

鞠莉「ずっと我慢してただけに、今までの想いがシャイニーしたのかも」

梨子「……」

曜「……」

ダイヤ「なにをごちゃごちゃと!さ、外に行って始めますわよ!」

 

「「「「……」」」」

曜「……そーいえば千歌ちゃん!海の家の手伝いがあるって言ってなかった?」

千歌「あ!そーだそーだよ!自治会で出してる、海の家手伝うように言われてるのです!」ビシッ

果南「あ、私もだ」

ダイヤ「そんなぁ!?特訓はどうするんですの?」

千歌「残念ながらそのスケジュールでは……」敬礼

曜「もちろんサボりたいわけではなく……」敬礼

ダイヤ「…………」

ダイヤ「――!」ギラン

ルビィ「ピッ」

ようちか「「!!」」

鞠莉「――じゃあ、昼は全員で海の家手伝って、涼しいmorning&eveningに練習ってことにすればいいんじゃない?」

花丸「それ賛成ずら」

ダイヤ「それでは練習時間が……」

千歌「じゃあ、夏休みだしうちで合宿にしない?」

「「「合宿?」」」

千歌「ほら、うち旅館でしょ?(We've got an inn, right?) 頼んで一部屋借りれば、みんな泊まれるし」

曜「そうか、千歌ちゃん家なら目の前が海だもんね」

果南「移動がないぶん、早朝と夕方、時間取って練習できるもんね」

花丸「でも、急にみんなで泊まりに行って大丈夫ずらか?」

千歌「なんとかなるよ!じゃあ、決まり!」

 

ダイヤ「それでは明日の朝4時、海の家に集合ということで」

「「「お、おー……」」」

千歌「……?」

梨子「……」

千歌「梨子ちゃんどうかした?」

梨子「え?ううん、なんでもない」

 

 

自室

『海に還るもの 桜内梨子

梨子「……」

 

 

千歌「やっほーい!」

曜「まっぶしー!」

千歌「よーっし!」

曜「とりゃー!」

千歌「ぷはー……ぅわっ」

鞠莉「えっへへ、シャイニー!」

果南「(サーフィンしてる)」

ルビィ「ぷかぷか……」

曜「……」ニシシ

曜「」コチョコチョ

ルビィ「!?うゅ……」

曜「あははっ!」

千歌「梨子ちゃーん!」

梨子「……」

ダイヤ「結局遊んでばかりですわね……」

花丸「朝4時に来たら、マル以外誰もいなかったずら……」

善子「あったりまえよ。無理に決まってるじゃない」

ダイヤ「……ま、まあ?練習は後からきちんとするとして……それより、手伝いは午後からって言ってましたわね?確か」

 

海の家「」

ダイヤ「――!?」

ダイヤ「はて、そのお店はどこですの?」

花丸「現実を見るずら」

ダイヤ「うっ……」

ルビィ「ボロボロ……」

曜「あっはは……それに比べて、隣は――」

曜「――人がいっぱい」

花丸「都会ずら~!」

ダイヤ「ダメですわ……」

鞠莉「――都会の軍門に下るのデェスか?」

「「「?」」」

鞠莉「私たちはラブライブの決勝を目指しているんでしょう?あんなチャラチャラした店に負けるわけには行かないわ!」

ダイヤ「……鞠莉さん――」

ダイヤ「――あなたの言う通りですわ!!」

「「「……」」」

鞠莉「てへぺろ

果南「え?」

 

ちかりこ「「これ、なに……?」」

ダイヤ「それで、この海の家にお客を呼ぶのですわ。聞けば、去年も売上で隣に負けたそうではありませんか」

ダイヤ「今年はわたくしたちが救世主となるのです!」

ちかりこ「「っ……救世主!?」」

果南「ははは……」

善子「……どうしてあんなに熱くなってんの……?」

ルビィ「ちょっと昔いろいろあって……」

ダイヤ「――果南さん。とぅっ!」

「「「?」」」

ダイヤ「さぁ、果南さんはこのチラシを!」

ダイヤ「商売もスクールアイドルも大切なのは宣伝!」

果南「はぁ……」

ダイヤ「あなたのそのグッラァ~マラスな水着姿でお客を引き寄せるのですわ!他のジャリどもでは女の魅力に欠けますので。ふっふ」

果南「なんか、顔が怖いんだけど……」

千歌「じゃりってなーに?」

梨子「知らない方がいいと思う……」

 

 

ダイヤ「そして鞠莉さん!曜さん!善子さん!」

善子「ヨハネ!!」

ダイヤ「あなたたちには料理を担当してもらいますわ」

曜「はぁ……」

ダイヤ「都会の方々に負けない料理で、お客のハートを鷲掴みにするのですわ!」

曜「面白そうだねー!」

善子「堕天使の腕の見せどころ……!」

鞠莉「じゃあ、Let's cooking!」

ようよし「「おー!」」

 

曜「とりゃ!ほっ!たぁっ!それぃ!」

曜「ほい、おいしいヨキソバ(Niceoodles)!ヨーソロー!」

善子「クックック……」

曜「……?」

善子「クックックック……堕天使の涙……降臨……!」

曜「……」

鞠莉「Unbelievable……」

鞠莉「シャイ煮、complete……」

曜「……」

 

ダイヤ「さあ、これで客がドバドバと!」

「「「……」」」

ダイヤ「……なんで来ないんですの!!?」

「こんにちはー!」

ダイヤ「あ、はーい!」

「ここが千歌たちが手伝ってる海の家?」

「私ヨキソバ!」

曜「へい!ヨーソロー!」

千歌「みんなに連絡したら、すぐ来てくれたよ!」

果南「最初からこうすればよかったんだね。ほーんとダイヤはおばかさん」

鞠莉「ほんと、お・ば・さ・ん!」

ダイヤ「一文字抜けてますわ!!」

 

 

果南「はっ、はっ、はっ……ふぅ」

果南「さすがにお店の後だと、ちょっときついね」

果南「?」

ダイヤ「……うぅ……こんな特訓をμ'sはやっていたのですか……?」

ルビィ「す、すごすぎる……」

ダイヤ「」バタリ

 

果南「次は体幹をきちんと鍛えるよ!」

善子「……今こそ……!無我に……!(Must...eliminate the ego!)」

花丸「ずら~……!」

千歌「!?うわぁっ!」

善子「っ!」

花丸「ずらっ!」

ルビィ「ピギィ!」

「「「「~~~……」」」」

梨子「……ふふっ」

千歌「?」

千歌「……ふふ」

 

ルビィ「ひゃっこい……」

千歌「我慢して?まだ砂落ちてないよ」

ダイヤ「まったく、お湯はないんですの?」

ルビィ「それにしてもμ'sって、すごい特訓してたんだね!」

善子「リトルデーモンね」

花丸「違うずら」

美渡「あんたたち!他のお客さんもいるから、絶対うるさくしたらダメだからね!」

千歌「わかってるー!」

美渡「言ったからね!」

グゥ

鞠莉「I'm hungry! ごはんまだ?」

千歌「それが……」

 

 

「「「えぇ~!?」」」

千歌「美渡姉が余った食材は自分たちで処分しなさいって……」

梨子「そんなに余ったの?」

千歌「ヨキソバはほぼ売り切れたんだけど……」

千歌「シャイ煮と堕天使の涙、まったく売れてなくて」

善子「申し訳ない」鞠莉「デース!」

ルビィ「それってどんな味がするんですか?」

果南「ちょっと興味あるね」

梨子「そうですね」

花丸「マルも食べてみたいずら!」

よしまり「「いいですわ!!」」

 

鞠莉「シャイ煮、please……!」

善子「堕天使の涙に溺れなさい!」

よしまり「「さあ!召し上がれ!!」」

「「「い、いただきます……」」」

千歌「はむ……ん!?」

千歌「シャイ煮おいしい!!」

梨子「……でもいったい、中に何が入ってるの……?」

花丸「おかわりずら!」

鞠莉「ふっふーん、シャイ煮はワッターシが世界から集めたスッペーシャルな食材で作った究極の料理デース!」

ダイヤ「で、一杯いくらするんですの、これ……」

鞠莉「さあ?10万円くらいかなー」

「「「ぶーっ!!!」」」

花丸「じゅ、10万円!!?」

千歌「高すぎるよ!!」

鞠莉「え?そうかなー?」

果南「これだから金持ちは……」

ルビィ「えへへへ……次は、堕天使の涙を……あむっ」

ルビィ「――――」

ダイヤ「?ルビィ?」

ルビィ「――――ピギャァァァァァァァァァァァァ!!!!」

ルビィ「からいからいからいからいからいからいからいからい!!」

善子「フッ」

ダイヤ「ちょっと!いったい何を入れたんですの!?」

善子「タコの代わりに大量のタバスコで味付けした、これぞ堕天使の涙!!」

鞠莉「Oh!Strong hot!!!」

ダイヤ「平気ですの?」

善子「え?どうして?」

ダイヤ「どうしてじゃないですわ!」

 

梨子「そういえば歌詞は?」

千歌「うーん、なかなかね……」

曜「難産みたいだね。作曲は?」

梨子「いろいろ考えているけど、やっぱり歌詞のイメージもあるから」

千歌「いい歌にしないとね」

梨子「うん」

 

ルビィ「ふぇえ~……」

梨子「……ふふ」

メッセージを消去してもよろしいですか?

梨子「……」

メッセージを消去しました

梨子「……」目を閉じる

 

曜「千歌ちゃーん!ソース切れちゃったー!」

千歌「わかったー!うちから取ってくるね!」

 

千歌「……?」

志満「ピアノコンクール?」

梨子ママ「ええ、案内が来たらしいんだけど、あの子出るとも出ないとも言ってなくて」

志満「いえ、千歌からは何も聞いてないですけど……」

千歌「……」

 

Bパート

 

「「「Zzz……」」」

千歌「……」

千歌「やっぱり……」

千歌「この日って、ラブライブ予備予選と同じ日……」

千歌「……」

梨子「Zzz……」

千歌「梨子ちゃん……」

千歌「梨子ちゃーん……」

千歌「梨子ちゃーん」

梨子「千歌ちゃん……面白がってませんか……?」

千歌「えへへ……」

 

梨子「バレてたか……」

千歌「……」

梨子「心配しなくて大丈夫。ちゃんとラブライブに出るから」

千歌「え?」

梨子「確かに、初めて知らせが届いたときはちょっと戸惑ったよ?チャンスがあったらもう一度って気持ちもあったし」

梨子「でも、合宿が始まってみんなと一緒に過ごして」

千歌「……」

梨子「ここに越してきてから、この学校やみんなやスクールアイドルが、自分の中でどんどん大きくなって」

梨子「みんなとのAqoursの活動が楽しくて、千歌ちゃんとの出会いも」

梨子「自分に聞いたの」

千歌「……」

梨子「どっちが、大切なのか」

梨子「すぐ答えは出た」

梨子「今の私の居場所は、ここなんだって」

千歌「……そっか」

梨子「今の私の目標は、今までで一番の曲を作って予選を突破すること!それだけ」

千歌「……!うん、わかった。梨子ちゃんがそう言うなら……」

梨子「だから早く歌詞ください」

千歌「えぇー!?今言うそれ!?」

梨子「ふふっ、当たり前でしょ?さ、風邪引くといけないから戻ろ」

千歌「……」

千歌「……うん」

 

 

ちかりこ「「へーい!!」」

かなまり「「あははは!!」」

ちかりこ「「もー!!」」

曜「はい、ヨキソバ!」

ルビマル「「……!」」グラグラ

ダイヤ「シャイ煮をおひとつ――」

ルビマル「「!!」」ガッシャーン

ルビマル「「ふぇぇ……」」

 

千歌「どこ行くの?」

果南「梨子ちゃんとダンスの相談。来る?」

千歌「いいの!?」

 

梨子「大切な、もの?」

果南「それが歌詞のテーマ?」

千歌「うん。まだ、出だしだけしか書けてないんだけど……」

梨子「……」

梨子「……大切な、もの……」

千歌「……?」

机の上の楽譜

果南「梨子ちゃん?」

梨子「え?」

果南「梨子ちゃんも読んでみて、どう?」

千歌「……」

梨子「ああ、はい……」

千歌「……」

海に還るもの

千歌「あの曲……」

 

 

よしまり「「はぁあー……」」

千歌「今日も売れなかったんだね……?」

曜「できた!カレーにしてみました!」

曜「船乗りカレー、withシャイ煮と――愉快な堕天使の涙たち(イケボ)」

「「「……」」」

ルビィ「うぅ……ルビィ死んじゃうかも……」

曜「じゃあ、梨子ちゃんから召し上がれ!」

梨子「うっ……」

梨子「あむっ……ん!?」

梨子「おいしい……!」

ちかよしまり「「「!」」」

梨子「すごい、こんな特技あったんだ!」

鞠莉「んん~っ!Delicious!」

曜「パパから教わった船乗りカレーはなんにでも合うんだ!」

ダイヤ「フッフッフ……これなら明日は完売ですわ……」

「「「……」」」

ルビィ「お姉ちゃん……?」

花丸「おかわりずら!」

善子「はやっ!」

曜「あっはは!」

曜「……?」

曜「わっ!千歌ちゃんどうしたの?」

千歌「……ううん、なんでもないよ。ありがと」

曜「……?」

梨子「あはははっ」

曜「……」

 

 

ダイヤ「では!これからラブライブの歴史と、レジェンドスクールアイドルの講義を行いますわ!」

果南「……今から?」

ルビィ「うわぁ~!」

ダイヤ「だいたいあなた方は、スクールアイドルでありながらラブライブのなんたるかを知らなすぎですわ」

「「「……」」」

ダイヤ「まずはA-RISEの誕生から……ん?」

「「「……?」」」

鞠莉「……」

ダイヤ「鞠莉さん?聞こえてますか?」

ダイヤ「おーい、Missマリー?」

鞠莉「……」ペラッ

ダイヤ「~~~~!!!!」

ダイヤ「あぅっ」バタリ

ルビィ「お、お姉ちゃん!?」

「「「ふぅ……」」」

千歌「――っ!」

千歌「……」ソーッ

美渡「――!!!」

千歌「……っ今日はもう遅いから早く寝よ!!」

曜「遅いって、まだ9時だよ?」

千歌「今日のところは早く静かにしないと、旅館の神様に尻子玉抜かれるよ!」

曜「よ、よーそろー……」

美渡「……」スッ

千歌「……ふぅ……」

 

 

「「「Zzz……」」」

ダイヤ「目が……目がぁ……」

千歌「……」

千歌「梨子ちゃん!」

梨子「……?」

梨子「なーに……?」

千歌「ひとつお願いがあるの」

 

梨子「こんな夜中にどこ行くの?」

千歌「いいからいいからー!」

 

千歌「考えてみたら、聞いてみたことなかったなって。ここだったら思いっきり弾いても大丈夫だから」

千歌「梨子ちゃんが自分で考えて、悩んで、一生懸命気持ち込めて作った曲でしょ?聴いてみたくて!」

梨子「でも……」

千歌「おねがい!少しだけでいいから」

梨子「……そんな、良い曲じゃないよ?」

梨子「……はぁ……」

梨子「……」

梨子「――」♪~

千歌「……!」

 

千歌「良い曲だね」

梨子「千歌ちゃん……」

千歌「すっごく良い曲だよ、梨子ちゃんがいっぱい詰まった」

千歌「……梨子ちゃん」

梨子「?」

千歌「ピアノコンクール出てほしい」

梨子「……!!」

千歌「……こんなこと言うの、変だよね。めちゃくちゃだよね」

千歌「スクールアイドルに誘ったのは私なのに。梨子ちゃん、Aqoursの方が大切って言ってくれたのに」

千歌「……でも、でもね!」

梨子「私が一緒じゃ、嫌……?」

千歌「違うよ!一緒がいいに決まってるよ!!」

千歌「……思い出したの。最初に梨子ちゃん誘ったときのこと」

梨子「……」

千歌「あのとき私、思ってた。スクールアイドルを一緒に続けて、梨子ちゃんの中の何かが変わって、またピアノに前向きに取り組めたら、素晴らしいなって。素敵だなって!そう思ってた、って」

梨子「……でも……」

千歌「……」手を差し出す

千歌「この町や学校や、みんなが大切なのはわかるよ?私も同じだもん」

千歌「でもね、梨子ちゃんにとってピアノは、同じくらい大切なものだったんじゃないの?」

梨子「……!」

千歌「その気持ちに、答えを出してあげて?」

梨子「……」

千歌「私待ってるから!どこにも行かないって、ここでみんなと一緒に待ってるって約束するから、だから……!」

梨子「――!」

千歌「……!」

梨子「――ほんと、変な人……!」

千歌「……!」

梨子「――」

千歌「――」

梨子「……大好きだよ」

 

ED

Aqours First LoveLive! ~Step! ZERO to ONE~ 2日目

異変は、突然だった。

 

2日目、少しだけMCの内容が変わりながらも、セットリストに大幅な変更はなくライブは佳境へ進んでいった。花火の演出とともに未熟DREAMERを終え、無言のまま、初日と同じように逢田さんが階段を登る。そして振り返った逢田さんは、しかし初日とは違うにっこりとした微笑みで、私たちにお辞儀をした。笑顔だった。昨日の経験が、初めて大舞台でピアノを弾いた経験が、今日の逢田さんにはきっと活きている。そう、私には思えた。

 

椅子に座ってからは、初日と同じコンセントレーション。しっかりと深呼吸を重ね、手に力を込め、伊波さんと目を合わせる。でも、その時間は初日よりも短かった。私は、どこか安心しながら、期待感とともにサクラピンクのブレードを握りしめ、桜内梨子の演奏を待っていた。

 

少しの後、伊波さんがゆっくりと歌い出す。逢田さんが緊張の面持ちで白鍵を叩く。初日と同じように、想いよひとつになれが始まった。ほどなくして差し掛かるピアノソロ。スクリーンに映る逢田さんの演奏に合わせ、高槻さんから順繰りに鍵盤を弾く手を重ねていった、そのときだった。

 

明らかに低い一音が、広い会場内に響き渡った。

そのときのカメラは、無情にも目を見開いたまま凍りついた表情の逢田さんを映していたことをよく覚えている。

時間が、止まったような気がした。

 

瞬間固まった会場の空気は、しかしグリスの絢爛な音色とともに吹き飛ばされた。何事もなかったように、曲は進んでいく。でも、そのときにはもう、逢田さんはオケに演奏を合わせることができなかったんだと思う。伊波さんと斉藤さんがAメロを歌い出した途中で、曲が中断された。今にして思えば、逢田さんを信じ続けたスタッフの英断だったんだろう。スクリーンに流れ出していたアニメの映像も停止し、代わりに映し出されたのは、混乱しているだろうキャストたち。今度こそ、会場は静寂に包まれた。何が起きているのか、理解できなかった。私の頭は、完全に真っ白になっていた。

 

一瞬の空白の後、ざわつき始めた空気を抑えるかのように、真っ先に伊波さんが駆け出した。涙を流し、しゃくり上げながら、過呼吸気味に「ごめんなさい、ごめんなさい」と口にする逢田さんを、伊波さんは「大丈夫だから」と抱きしめた。鈴木さんも駆け寄る。「大丈夫、絶対大丈夫、大丈夫」と、鞠莉の声で、いつものハイテンションな声音ではなく、Aqoursのお姉さんとしての落ち着いた小原鞠莉の声で、まるで子供をあやすかのごとく、逢田さんに優しく、しかし力強く、語りかけ続けた。そしてもう一人階段を駆け上がり、背を向けて観客から逢田さんの姿を隠していたキャストがいた。私は目の前の出来事を頭で処理することに必死で誰だったかまでは覚えていないけど、諏訪さんだったらしい。

 

やがて会場からは、「りきゃこー!!」「がんばれー!!」「行けるぞー!!」と、あちこちから声援が飛び交い始めた。ゆっくりと、会場が息を吹き返していた。自分にできることはただ声を届けることしかないと、そこで私はようやく「応援すること」の意味を理解したような気がした。喉が千切れんばかりの大音声で、「がんばれー!!」と何度も叫んだ。あんなにがむしゃらに泣き叫んだのは、人生でも初めてのことだったかもしれない。たくさんの声援たちは、やがて「梨香子!梨香子!」という、梨子でもりきゃこでもなく、逢田梨香子の名前を呼ぶひとつの大きな声へと収束していった。その大合唱の中、広い会場を照らす光は、サクラピンクただ一色だった。

 

駆け寄ったメンバーたちが定位置へと戻るとともに、梨香子コールは落ち着きを見せていく。そして、もう一度、想いよひとつになれが始まった。涙に濡れた顔で、逢田さんがピアノを弾き始める。私はブレードを握りしめながら、ただただ成功を祈り続けた。そして、さっき躓いてしまった前奏のピアノソロが再び訪れた。それを、逢田さんは初日よりも震える手つきで、しかし正確に演奏したのだった。その瞬間、大音量になるオケに負けないくらいの大歓声が上がったのは、きっと気のせいじゃなかったと思う。

 

私はかねてから、想いよひとつになれのCメロが好きだった。

曲展開、歌詞、ひとつひとつの音。どれを取っても、気分が高揚するような、でもどこか切なくなるような、そんな印象があった。間奏を終え、Cメロに入ったそのとき、私はこの歌詞に大きな意味が与えられたことを実感した。ミスをした逢田さんを抱きしめた伊波さん、優しく声をかけ続けた鈴木さん、ただ黙って傍に居てあげた諏訪さん、下で再起を信じて待っていた高槻さん、降幡さん、小林さん、斉藤さん、小宮さん。きっとそれができたのは、今までの長い、長い練習の中で、9人でかけがえのない日々を過ごしてきたからこその、強い絆の力のおかげだったと思う。もう、Aqoursは完全な1つのチームだった。逢田さんの奏でるピアノをバックに、8人がひとりひとり、Cメロの歌詞を紡いでいく。そして、ラストを飾る伊波さんが、今までよりも一際大きな声で、「ひとりじゃない」と高らかに歌い上げた。よく通るその歌声と強いメッセージが、会場内を満たした。そのステージには、あまりにも美しい、青春を共に駆ける仲間の絆があった。

 

最後の一節を歌い終え、想いよひとつになれは後奏を迎える。待ち構えるは、曲を締めくくるピアノソロ。初日と同じように、カメラがピアノを捉える。涙の痕を残しながら、逢田さんは真剣な、真剣な表情で、一音一音確かめるように、奏でていく。そして、最後の一音が指すその白鍵を、がくがくと震える小さなその指で、打った。高く澄んだ、綺麗なピアノの音が、梨子ちゃんの奏でたそれと全く同じ美しい音が、会場にすぅっと吸い込まれていった。数瞬の後、割れんばかりの拍手と歓声が、会場を包み込んだ。Aqoursの想いが、スタッフチームの想いが、私たちの想いが、ライブを見守るすべての人たちの想いが、ひとつになった瞬間だった。

 

演奏後、逢田さんは暗転した闇の中、ひとり下がっていった。残された8人は初日と同じ調子のMCを、初日と同じ様子で繰り広げる。あれだけのトラブルがあったのにもかかわらず、みんなとても落ち着いていた。観客を不安にさせないための、プロの姿だった。やがて、メイク直しを終えた逢田さんが戻ってきた。未熟DREAMERトークが進む中、逢田さんは衣装を見せる流れにも参加しつつ、いよいよ話題は想いよひとつになれに移る。そこで、逢田さんが初めて口にした言葉がこれだった。

 

「ごめーん間違えちゃったー!マジごめーん」

 

すごく、すごく軽い調子で、さっきまで泣きながら過呼吸を起こしていた人と同一人物とは思えないくらいの明るい調子で、逢田さんはそう言った。なんて強靭な精神力を持ち合わせているんだろうと、どれだけ観客思いなんだろうと、私はとてつもない衝撃を受けた。そもそも考えてみれば、あの張り詰めた空気の中、不安定なあの状態で、1回目よりも格段に難しい2回目で最後までピアノを弾ききってみせたこと自体が、およそ常人にはできないことだった。逢田さんは「でも、みんなの声が聞こえてきたから最後までがんばれた。ありがとう」とも語っていた。自分で精一杯だっただろうに、どこまでも観客のことを考えてくれているプロ意識、ともすればプレッシャーに変貌しかねない大きな声援をすべて自分の力へと変えてみせたその胆力こそが、逢田さんがその小さな身体に宿すパワーの源なんだろうと思う。最後に、逢田さんは「みんなに支えられてるんだなって、改めて感じ入っちゃった」と、メンバーへの感謝を告げていた。何度も感じた、絆の力だった。

その話の中で、一際強く私の心に響いたのは伊波さんのフォローだった。

 

「だって生ですから!何が起きるかわかんないから!」

 

それがライブだと、笑顔で言い切ったのだった。

「これからも、いろんなことがあると思う。嬉しいことばかりじゃなくて、つらくて、大変なことだっていっぱいあると思う。でも私、それを楽しみたい!全部を楽しんで、みんなと進んでいきたい!それがきっと、輝くってことだと思う!」

13話で千歌ちゃんが言ったこの言葉が、今回のライブの場でとても大きな意味合いを持ち始めた。ライブで起きたアクシデントに対しての、高海千歌たる伊波さんの答え。千歌ちゃんの精神性、千歌ちゃんの見つけた答えを、伊波さんはしっかりと理解し、表現していた。「新たな物語」が付与された、ラブライブ!を感じた瞬間だった。

 

ライブは終盤に差し掛かり、アニメのダイジェストを経て、初日と同じように13話の演劇が始まった。5分ほどもあるあの長丁場に、収録とは違い1回のミスも許されない再現に、9人は再び挑戦していた。私にできることはただ、噛まないことを祈ることだけだった。サクラピンクのままのブレードを強く握り、ただ祈りを捧げていた。そして、梨子ちゃんの台詞が訪れる。

 

「輝きたい!」

 

その言葉を言った逢田さんの表情は、アニメで描かれていた、顔を輝かせる梨子ちゃんとはあまりにもかけ離れていた。ピアノを弾いていたときのような、凛々しさを感じさせる真剣な顔つきだった。桜内梨子ではなく、逢田梨香子としての心からの叫びのように思えた。そこからはもう、演劇の一言一言が、ずしりとした重みを増して私の胸に響き続けた。

 

「起きること全てを受け止めて」「全てを楽しもうと」「それが、輝くことだから!」

 

なんて、なんてライブだろう。「輝くって、楽しむこと」。初日、小林さんが最後のMCで引用した、千歌ちゃんの言葉。「輝くこと」と「楽しむこと」を同義とした13話の意義はここにあったのかと、頭がパニックになるほどのトラブルを乗り越え、それでも楽しみたい、輝きたいと願うことがラブライブ!サンシャイン!!だと、Aqoursの在りたい姿なんだと、何倍も、何倍も強くなった説得力で実感させてくれた。だからこそ、逢田さんは真剣な表情で「輝きたい!」と叫んだんだと、そう強く思えた。それだけで、あの演劇にはとてつもなく大きな意味が与えられた。きっと、このライブの場には奇跡も必然もなかったと思う。2日目にあったものは、千歌ちゃんたち2年生がμ'sに憧れたように、「諦めない気持ち」と「信じる力」があったからこそ、そしてみんなの絆とそれを包み込む全員の想いがあったからこそ結実した、青春の輝きだった。

 

逢田さんは終演後、更新した自身のTwitterで「とにかく楽しかった!!」とツイートしていた。もうあのライブの中で答えを見つけていたこと、ピアノのミスがあってもなお「楽しかった」と言ってくれること、私はただ救われる思いだった。その後Instagramではピアノのことについて触れ、「失敗は失敗」「プロとしてステージに立たせて貰ってる以上失格」と割り切り、私に泣く資格はないからと、その後は笑顔でパフォーマンスをするしかできなかったと綴っていた。思い返せば、小林さんや鈴木さん、諏訪さんも涙ぐみかけていた最後のMCが終わっても、逢田さんはひとしずくの涙も見せていなかった。本当にどれほど私たち観る側のことを考え続けてくれているのか、そんなにまで自分を押し殺せるくらいのタフな気持ちはどこから湧いてくるのか、逢田さんの心の強さを改めて思い知らされる言葉たちだった。

 

楽しくて泣いたとか、悲しくて泣いたとかじゃなくて、今回私は「人の想い」に触れて、それに感動してた気がします。すごく、すごく心に残るライブでした。本当に、一生の思い出です。

Aqours First LoveLive! ~Step! ZERO to ONE~ 1日目

雑感です。たぶん機械的な文章だと思う。

 

たぶん私の中でもライブの転機は未熟DREAMERと、やっぱり想いよひとつになれだったんだと思う。

 

それまでも楽しかったし、青空Jumping Heartではキャストが本当に踊っているのを見て自然と涙が出てきたりもしたんだけど、ただクオリティの高い曲とパフォーマンスを眺めていただけだった節は正直認めざるを得なかった。一番大好きな夢で夜空を照らしたいも、ただ「良い曲だな」という思いだけで耳を通り過ぎていってしまって、大きく気持ちが揺さぶられることはなかった。ユニットパートに入り、CYaRon!の表情の豊かさやAZALEAの花舞う軽やかなダンスに心を奪われ、背景で炎が燃え上がる中最高の盛り上がりを見せたGuilty Kissのターンを終えた辺りで、会場の一体感とは裏腹に、私の心にはこのままただ楽しかったライブで終わっちゃうのかな、という不安が兆し始めていた。

 

その後、アニメのダイジェストの流れをシームレスに受け継いでから、9人揃ったAqoursとして満を持して披露された未熟DREAMER。今までの楽曲の中でも一番トリッキーなこの曲のダイナミックなオケに合わせて、歌が紡がれダンスが披露されていくさまを見つめながら、それでも私は「良い曲だな」という気持ちが浮かぶだけだった。再現されてることへの感慨が薄かったというか、ハイコンテクストな言い方をすると、ラブライブ!を感じられなかったんだと思う。でも、それが変わったのが2サビだった。

 

「ひとりじゃない 無理しないでよ」

 

アニメ尺にはないこの歌詞の一節で、諏訪さんと鈴木さんが両側から小宮さんを抱きしめた。それだけで、その一瞬だけで、私の中で未熟DREAMERという曲に奥行き、深みが生まれた感覚が確かにあった。アニメ9話は個人的に引っかかりが解けなくて、このブログで写経するくらいうんうん悩んでたんだけど、それでも果南と鞠莉が「ひとりじゃない 無理しないでよ」と語りながらダイヤを抱きしめる姿を見て、3年生の友情が胸にすっと沁みた。大好きだったスクールアイドルを大好きな友達の将来と大好きな友達の想いのために諦めて、大好きな妹に八つ当たりしてしまうくらいAqoursやμ'sへの気持ちを抑え続けて、2年もの間ずっとずっと自分のことよりも果南と鞠莉のことだけを考えて、3年生になってからは生徒会の仕事をもただ1人で背負い、最後の最後まで意地を張り続け、自分にすら嘘をついて「無理してきた」ダイヤ。そんなダイヤへ、今までずっと自分たちの都合で振り回し続けたダイヤへ、新生Aqoursとダイヤのおかげですれ違いが解決した果南と鞠莉が、今までの贖罪と感謝と友情と想いを込めて送ったプレゼントは、3年生の過去にずっと描かれていた「ハグ」だった。

これこそが、私がライブで見たかった「物語」だった。ライブによって付与される新たな視点、文脈、価値観、バックグラウンド、なんでもいいけど、とにかく歌やダンスで「キャラクターの物語」を感じさせてくれることが私の中でのラブライブ!だったから、未熟DREAMERのこのダンスは本当に感動した。

 

その後の衝撃は、たぶんみんな感じたことだと思う。

 

花火が降り注ぎ、曲が終わった後、いつの間にかステージに鎮座しているグランドピアノ、こちらに背を向けゆっくりと階段を登る逢田さん。その時の私には、目の前の光景が本当に信じられなかった。何が起きようとしているのか、理解できなかった。ピアノが未経験という話はインタビューでも触れていたのに、まさか。まさか、本当に演奏するのか、なんて思いが過ぎったと同時に、逢田さんは階段を登りきり、振り返って一礼した。その時の表情は、もう誰が見てもガチガチに緊張してるのがわかるくらい固くて、それだけでこの人は本当にピアノを弾くつもりなんだ、本当に11話を再現するんだ、と直感でわかった。着席し、震える手を抑え、何回も、何回も深呼吸を繰り返し、目を瞑ってよしと頷いて、階段の下からじっと見つめ続けていた伊波さんと目を合わせて、頷き合う。その一連の動作が永遠に感じられるくらい、長い、長いコンセントレーションの時間だった。

 

8人が位置につき、静かなシンセのオケが流れ出す。伊波さんの歌とともに、逢田さんの弾く鍵盤の音が耳を打った。ピアノの横に設えられたカメラが、真剣な眼差しで、震える指先で、一音一音はっきりと、ピアノソロの旋律を慎重に奏でていく逢田さんを映す。エレクトーンとは違い、一つ一つのキーがかなりの重さを持つグランドピアノで、明らかに初心者とわかる慣れない手つきながらも、今の彼女には難しいはずの小節中のグリッサンドを、逢田さんは綺麗に成功させた。同時にギターやベース、ドラムのバンドサウンドの奔流が9人を包み込み、やがて歌い出す8人が大写しになった。その後も、笑う余裕もないまま、ただただ本気の表情で、しっかりと伴奏を弾く逢田さんの姿が時々映されていたような気がする。

 

曲はやがて終わりに向かう。伊波さんと斉藤さんが両サイドから手を伸ばし合う、アニメさながらのダンスからバトンタッチするかのように、オケとピアノの後奏が始まる。疾走するドラムが最後のスネアを響かせた瞬間、ひとり取り残されるピアノ。逢田さんはまったく緩むことのない顔で、最後の一音を、「想いよひとつになれ」ではなく、11話の梨子ちゃんがそうだったように、「海に還るもの」のラストの音を、その小さな指先で、けれど確かな存在感で、奏でた。あの瞬間だけは、階段の上と下で、世界が分かたれていた。1人と8人が別々の場所で想いをひとつにした、11話そのものだった。演奏が終わった瞬間、私はへたり込んでしまって、その後の逢田さんの顔や、8人がどんな表情をしていたかはまったく記憶にない。

 

逢田さんはアンコール後最後のMCで、「今回挑戦させてもらうことがすごく多くて、ピアノもそうなんだけど、どうなってしまうんだろうという恐怖があったんです」という旨の話をしていた。1万人以上、いやもっとそれ以上の人たちの前で未経験のピアノを弾く覚悟は、積み重ねてきた努力はいったいどれほどだったんだろうと、どれだけ桜内梨子に想いを懸けているんだろうと、涙が止まらなかった。

そして逢田さんは、「でもそれがあったおかげで、梨子ちゃんの気持ちが少しわかった気がしました」と語った。私の思う、キャラとキャストの関係の絶対性、不可侵性がその言葉の中に詰まっていた。キャストだけが掴み、近づくことのできるキャラの在り方、キャラの領域。ラブライブ!のライブが紡ぐ、2次元と3次元が繋がる感覚があった。トートロジーみたいなことを言うけど、ラブライブ!サンシャイン!!は確かにラブライブ!だったことを、私はそこで改めて思い知った。

 

初日、私の中で心に残っているのは、確実にハイライトとして掲げられる想いよひとつになれが終わった後、そのMCでの斉藤さんの発言だった。MCが進む中、やがてもじもじし始める斉藤さん。伊波さんたちにどうしたのと尋ねられ、ややあってからくるっと逢田さんに向き合う。そして、

 

「梨子ちゃん、おかえり!」

 

と、誰よりも早く梨子ちゃんの帰還を喜んだ。11話を経た曜ちゃんの想いが、その言葉と表情に溢れ出していた。千歌ちゃんが自分を見てくれていないかもしれないことへの不安や恐怖の中で、いつも千歌ちゃんと一緒に曲作りをする梨子ちゃんへの、嫉妬を形作るほどでもないもやもやとした気持ちを抱えたまま曜ちゃんは、ダンスのフォーメーションについて心配して連絡してくれた梨子ちゃんとの電話口で、鞠莉との「ぶっちゃけトーク」で緩んでいた胸の蓋が外れて、その中にあるどろっとした気持ち、普段見せない弱みを零してしまう。そして梨子ちゃんに千歌ちゃんへの想いを掬われ、梨子ちゃんの語る言葉とそれを証明する千歌ちゃんの行動で救われた曜ちゃんは、家を訪れた千歌ちゃんに縋り付いて泣きながら、梨子ちゃんにプレゼントされたシュシュを手首につけて、ようやく梨子ちゃんも大好きな友達だと思うことができた。その流れがあるからこそ、想いよひとつになれを披露した後で、曜ちゃんが真っ先に「梨子ちゃん、おかえり!」と言うことの意義はすごく大きかった。11話と12話の間で曜ちゃんが梨子ちゃんに対して絶対言ってるに違いない言葉だと、私に強く信じさせてくれる力があった。ライブの場が提示する「キャラクターの物語」、歌やダンスじゃなくとも、私の思うラブライブ!はここにも確かに存在していたんだと感じられた。

 

同じような感慨を感じたのは、そのMCの少し手前、未熟DREAMERについて触れているときの、「親愛なるお姉ちゃん!ようこそ、Aqoursへ!」というアニメに登場するルビィの台詞を再現した降幡さんに対して発せられた、「ありがとう、ルビィ」という小宮さんの言葉。でも、これはダイヤが言うだろうという言葉というよりも、最後まで意地を張って本音を言わなかったダイヤの本心を小宮さんがキャラに唯一近づき触れられるキャストとして代わりに言ってくれたような、そういう類の感慨だった。「梨子ちゃん、おかえり!」が渡辺曜としての言葉なら、「ありがとう、ルビィ」は小宮有紗としての言葉。どちらにもキャラとキャストのそれぞれの関係性を垣間見たような気がして、ラブライブ!のライブで私が見たかった、感じたかったことはこれなんだ、と強く印象に残ってる。

 

最後のMCで泣いてしまった高槻さんの話。高槻さんは普段のおちゃらけながらも空気がしっかり読める、場のバランサーとしてのスキルに長けたバラエティ力の塊という個人的なイメージがあって、涙から一番縁遠い人だと勝手に思っていたから、失礼な話だけど少しびっくりした。遡れば去年1月にメルパルクホールで開催された、Aqours初めてのイベントの中でダイジェストとして放送された合宿の映像で、9人が体力づくりでジョギングに励む中、1人だけぐっと離されてしまったキャストが高槻さんだった。以前からインタビューでも、合宿のときは自分だけ体力が無くて本当に情けなかったと語っていた高槻さんは、「Step! ZERO to ONE」を冠する今回のライブで「0になったことがありました」と、そのときの話を涙ぐみながら語っていた。そのとき、「マルちゃんと同じで、体力が無くて」と言っていたことで、こと花丸ちゃんへ近づくためであれば、このラブライブ!サンシャイン!!というプロジェクトにおいてであれば、体力がなかったことはポジティブに捉えられるんじゃないかと、私は身勝手なことを思ってしまった。キャラもキャストも同じ位置から、同じ「0」からスタートしたことは、Aqoursのキャストであるならば利点なんじゃないか、と。花丸ちゃんはアニメ全13話を経て、今はアニメPVの中でみんなと一緒に完璧なダンスを披露している。高槻さんも、今日はしっかり踊れていたんじゃないかと、LVのカメラ越しの素人目線で何がわかると言われればそれまでなんだけど、それでもその成長があるならばいいんじゃないかと、安全地帯の観客だから思えることが頭を過ぎっていた。そんなとき、高槻さんは笑顔で言い切った。

 

「でも、今は自信しかありません!」

 

この言葉を聞いて、そう思ってしまった自分が許されたような、それ以上に花丸ちゃんとのシンクロを強く感じたような、熱い気持ちが溢れた。それはまさに、8話で梨子ちゃんが「みんなで一緒に歩こう」と言い、キャラが手を繋ぎ合って進んでいったAqoursの姿を感じさせる一言。キャラ同士だけじゃなく、キャラとキャストが、花丸ちゃんと高槻さんが一緒に手を繋いで、同じ位置から二人三脚で進んでいく、そういう次元を超えた友情のようなものを感じて、涙が零れそうになった。「一歩を踏み出せたと思います」という言葉が、会場のスピーカーを通して劇場内に力強く響いた。その後で「ま、明日もあるんですけど」と笑いを誘って常に空気に気を配るところがやっぱり高槻さんの高槻さんたる所以だなと思いながらも、「今日の反省を活かして、明日も頑張ります」と宣言していたところにプロの心意気を感じたとともに、私は私自身の甘さを痛感した。

2日目、私は現地のメインステージ横のアリーナ席にいた。そこからは、アンコールで披露されたPops heartで踊るんだもん!を横並びでパフォーマンスするキャストをとても近くで見ることができた。歌詞にライブの今を重ねて泣きそうになりながらただ頷くだけだった私は、Bメロで目の前に来た高槻さんと目が合った。高槻さんは、顔を歪めた私の様子を見てにっこりと優しげな微笑みを浮かべて頷き、すぐに前を向いたと同時にサビに差し掛かった。サビで9人が同じダンスをするPopsheartで、初日に「体力がなかった」「今日の反省を活かして」と語った高槻さんは、みんなと一糸乱れぬ動きで完璧なダンスを披露しながら、ずっと笑顔のまま歌い続けていた。プロであればそれが当たり前なのかもしれないけど、私はそこに運動が苦手ながらも努力を重ねて踊れるようになった花丸ちゃんの姿と、何よりその楽しげな横顔に花丸ちゃんの優しい笑みを見たような気がした。2日目の挨拶で「身長がコンプレックスで、花丸ちゃんは一番小さいから」「Aqoursと花丸ちゃんのことをずっと考えてきた」という話をしていた高槻さん。私は今まで、告知や宣伝の場で「高槻かなこ」として高槻さんが喋っているとき、すぐに「ずら」を語尾につけて話す高槻さんが、正直に言うと少し苦手だった。今は花丸ちゃんとして喋ってるわけじゃないのにどうして「ずら」をつける必要があるの、シンクロってそういうことじゃないでしょ、と疑問が浮かぶばかりで。でも今回のライブを経て、それはずっと花丸ちゃんのことを考えてきたゆえで、喋るたびに「ずら」が付く花丸ちゃんのことばかりを考えてきたから、Aqoursの話をするときはそれが癖になってしまっているのかもしれないと思えるようになった。もちろん、真実は私にはわからない。それでも、このライブに懸ける想い、磨き上げたパフォーマンス、そして何よりも、高槻さんが見せた優しい微笑みが私に「国木田花丸」を感じさせてくれた。身長なんか些細な問題でしかなかったと、ラブライブ!における大前提をしっかり体現してみせた高槻さんは、間違いなくラブライブ!サンシャイン!!の、Aqoursの立派なメンバーだった。それがたまらなく、私にはうれしかった。

 

両日とも、最後のMCで「横浜アリーナは、私の憧れの場で。ラブライブ!、大好きなラブライブ!で、横浜アリーナに立ててひとつ夢が叶いました」「横浜アリーナに大好きなラブライブ!で出演できて、本当に嬉しいです」と涙ながらに語ったのは、鈴木愛奈さんだった。歌からダンスから、キャストの立ち姿からラブライブ!を感じられた私にとって、すごく、すごく身近な言葉だった。ラブライブ!サンシャイン!!は、Aqoursは、確かにラブライブ!を受け継いでいる。改めてその実感が蘇って、本当に楽しくて、うれしくて、幸せだった。ライブに参加する前と後で、Aqoursに対する気持ちが何倍にも大きくなってると思えた。私の中では少なくとも0じゃなかったし、倍数表現を使う。0から1への一歩を踏み出したのは、Aqoursの9人だったから。そしてきっと、まだ18人じゃない。これから、まだまだ新しい景色がたくさんある。そう思わせてくれる熱量に満ちた、すごく意味の大きなライブだった。

 

なんかごちゃごちゃしたけど、以上です。2日目のあのことは別に書きたい。

9話写経

鞠莉『……え?』

果南『私、スクールアイドル、やめようと思う』

ダイヤ『……』

鞠莉『……なんで?』

鞠莉『まだ引きずっているの?東京で歌えなかったくらいで……』

果南『……鞠莉、留学の話が来てるんでしょ?行くべきだよ』

鞠莉『どうして……?冗談はやめて?』

鞠莉『前にも言ったでしょ、その話は断ったって……ダイヤも、なんか言ってよ』

ダイヤ『……』

鞠莉『……ダイヤ……』

果南『ダイヤも同じ意見。もう続けても、意味がない』

鞠莉『……』

鞠莉『……果南!ダイヤ!』

果南『……』

ダイヤ『……』

鞠莉『……』

果南『……終わりにしよう』

 

OP

 

ルビィ「夏祭り?」

花丸「屋台も出るずら……」

善子「……これは、痕跡……?僅かに残っている、気配……」

ルビィ「……どうしよ、東京へ行ってからすっかり元に戻っちゃって」

花丸「ほっとくずら」

梨子「それより、しいたけちゃん本当に散歩でいないわよね?」

曜「千歌ちゃんは夏祭り、どうするの?」

千歌「そうだねー……決めないとねー……」

曜「沼津の花火大会って言ったら、ここら辺じゃ一番のイベントだよ。そこから、オファーが来てるんでしょ?」

花丸「Aqoursを知ってもらうには一番ずらね」

ルビィ「でも、今からじゃあんまり練習時間ないよね……」

梨子「私は、今は練習を優先した方がいいと思うけど」

曜「……千歌ちゃんは?」

曜「?」

千歌「……うん!私は出たいかな!」

曜「……そっか!」

梨子「千歌ちゃん……!」

千歌「今の私たちの全力を見てもらう。それでダメだったら、また頑張る。それを繰り返すしかないんじゃないかな」

曜「ヨーソロー!賛成であります!」

善子「ぎらん!」

千歌「……うん!」

曜「……変わったね、千歌ちゃん」

梨子「うん」

ルビィ「ピギィ!?」

善子「ちょっとー、待ちなさいよー!激おこデーモン丸ー!」

千歌「…………」

 

 

果南『ん?』

千歌『はぁ、はぁ……』

果南『練習、頑張ってね』

千歌『……やってたんだよね?スクールアイドル……』

果南『聞いちゃったか……ちょっとだけね』

千歌『……』

 

 

梨子「どうしたの?」

千歌「果南ちゃん、どうしてスクールアイドルやめちゃったんだろう」

ダイヤ「生徒会長が言ってたでしょ?東京のイベントで歌えなかったからだ、って」

千歌「でも、それでやめちゃうような性格じゃないと思う」

梨子「そうなの?」

千歌「うん。小さい頃は、いつも一緒に遊んでて――」

 

果南『こわくないって、チカ!ここでやめたらこうかいするよ!』

千歌『うぅぅ……』

果南『ぜったいできるから!』

千歌『ううぅ……』

果南『さぁ!』

千歌『……!たぁっ……!』

 

梨子「――そうだったのね」

ルビィ「とてもそんな風には見えませんけど……あっ!すいません……」

善子「……まさか!天界の眷属が憑依……!?」

千歌「もう少し、スクールアイドルやっていた頃のことがわかればいいんだけどな……」

曜「聞くまで、全然知らなかったもんね(You didn't know about it at all until you asked, huh?)」

「「「……?」」」

ルビィ「ピギィ!?」

千歌「……ルビィちゃん、ダイヤさんから何か聞いてない?」

曜「小耳に挟んだとか」

梨子「ずっと一緒に家にいるのよね?何かあるはずよ!」

ルビィ「え……あわわ……うぅ……ピギィィ~!」

千歌「あ、逃げた!」

善子「フッ……とぉりゃあああ!堕天使奥義、堕天龍鳳凰縛!!」

花丸「やめるずら?」

善子「あ……はい……」

 

 

千歌「ほんとに?」

ルビィ「……ルビィが聞いたのは、東京のライブが上手く行かなかったって話くらいです」

ルビィ「それから、スクールアイドルの話はほとんどしなくなっちゃったので……」

ルビィ「ただ……」

「「「ただ?」」」

ルビィ「は、あははは――」

 

ルビィ『……』

鞠莉『……』3年生の制服

ダイヤ『逃げてるわけじゃありませんわ。だから、果南さんのことを逃げたなんて言わないで』

ルビィ『……』

 

ルビィ「――って」

千歌「逃げたわけじゃない、か……」

 

 

果南「うぅ~ん……よっと」

果南「はっ、はっ……」

「「「……」」」

花丸「ふわ~ぁ、まだ眠いずら……」

ルビィ「毎日こんな朝早く起きてるんですねー……」

梨子「それより、こんな大人数で尾行したらバレるわ!」

曜「だって、みんな来たいって言うし」

千歌「はぁ、しっかし速いね~……」

善子「いったい、はぁ、どこまで走るつもり~……?」

曜「もう、かなり走ってるよね?」

花丸「はぁ、マル、もうダメずら……」

ルビィ「花丸ちゃん……!」

千歌「でもなんか……気持ちよさそうだね」

梨子「はぁ、はぁ……そうね……」

「「「はぁ、はぁ……」」」

千歌「はぁ、はぁ……ん?」

果南「――」

千歌「きれい……」

千歌「……?」

鞠莉「……」パチパチ

果南「……」

鞠莉「復学届、提出したのね」

果南「まあね……」

鞠莉「やっと逃げるのを諦めた?」

果南「……!」

果南「……勘違いしないで。学校を休んでいたのは、父さんの怪我がもとで……それに、復学してもスクールアイドルはやらない」

鞠莉「私の知っている果南は、どんな失敗をしても笑顔で次に向かって走り出していた。成功するまで、諦めなかった」

果南「……卒業まで、あと1年もないんだよ」

鞠莉「それだけあれば充分。それに、今は後輩もいる」

「「「!?」」」

果南「……だったら、千歌たちに任せればいい」

鞠莉「……果南……」

果南「どうして戻ってきたの?私は、戻ってきてほしくなかった」

鞠莉「果南……!?」

鞠莉「……ふふ、相変わらず果南は頑固な――」

果南「――もうやめて」

鞠莉「っ!」

果南「……もう、あなたの顔……見たくないの」

鞠莉「っ……!……」

「「「はぁ、はぁ……」」」

ルビィ「ひどい……」

花丸「かわいそうずら……」

曜「やっぱり、何かありそうだね」

千歌「うん……」

梨子「『逃げるの、諦めた』か……」

千歌「?」

梨子「ううん、なんでもない」

千歌「……」

 

 

千歌「果南ちゃんが!?」

曜「うん。今日から学校に来るって」

梨子「それで、鞠莉さんは?」

曜「まだ、わからないけど……」

「「「……」」」

 

果南「……」

鞠莉「……」

「「「……」」」

鞠莉「……果南」

果南「……」

 

曜「くんくん……制服!!」

ちかりこ「「うわぁっ!?ダメ!!」」

曜「あーちょっ……あ……」

ちかりこ「「はぁ……」」

千歌「……これって……スクールアイドルの……?」

 

Bパート

 

ルビィ「……」

花丸「……」

千歌「……!」

果南「離して!離せって言ってるの!」

鞠莉「いいと言うまで離さない!!強情も大概にしておきなさい!!たった一度失敗したくらいで、いつまでもネガティブに……!」

果南「うるさい!いつまでもはどっち!?もう2年前の話だよ!!だいたい今更スクールアイドルなんて……!私たち、もう3年生なんだよ!!」

ダイヤ「2人とも、おやめなさい!みんな見てますわよ!!」

鞠莉「ダイヤもそう思うでしょう!?」

ダイヤ「やめなさい!いくら粘っても果南さんは再びスクールアイドルを始めることはありませんわ!」

鞠莉「どうして!?あの時の失敗をそんなに引きずること!?千歌っちたちだって、再スタートを切ろうとしてるのに、なんで!!」

果南「千歌とは違うの!!」

千歌「……!」

曜「千歌ちゃん!」

果南「鞠莉には他にもやるべきことがたくさんあるでしょ!?」

果南「……千歌?」

鞠莉「?」

ダイヤ「?」

千歌「……すぅっ……いい加減に――――!!」

千歌「――しろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

千歌「もう、なんかよくわからない話をいつまでもずーっと、ずーっと、ずーーーーーーーーーーーーっっっと!!隠してないで、ちゃんと話しなさい!!!!」

果南「……千歌には関係な――」

千歌「あるよ!!!!!」

ダイヤ「いや、ですが……」

千歌「ダイヤさんも!鞠莉さんも!3人揃って放課後、部室に来てください」

果南「いや、でも……」

千歌「いいですね!?!?!?」

「「「……はい」」」

曜「……千歌ちゃんすごい……!」

ルビィ「3年生に向かって……」

千歌「…………あ」

 

 

果南「だから、東京のイベントで歌えなくて!」

千歌「その話はダイヤさんから聞いた」

果南「……!」ジロッ

ダイヤ「……!……」プイッ

果南「……」

千歌「でも、それで諦めるような果南ちゃんじゃないでしょ?」

鞠莉「そうそう、千歌っちの言う通りよ!だから何度も言ってるのに!」

果南「……」

千歌「何か事情があるんだよね?」

果南「……」

千歌「ね……?」

果南「……そんなものないよ。さっき言ったとおり、私が歌えなかっただけ」

ダイヤ「……」

千歌「~~!!イライラする~~っ!!!」

鞠莉「その気持ち、よぉ~くわかるよ~!!ほんっと腹立つよねぇコイツ!!!」

果南「勝手に鞠莉がイライラしているだけでしょ!?」

ルビィ「でも、この前弁天島で踊っていたような……」

果南「~~っ!」

花丸「ずら!」

ルビィ「ピギッ!」

鞠莉「おぉー、赤くなってるーww」

果南「うるさい……!」

ダイヤ「……」微笑む

鞠莉「ふふっ、やーっぱり未練あるんでしょー?」

果南「……っ!」

果南「……うるさい」

鞠莉「っ……」

果南「未練なんてない!とにかく私は、もう嫌になったの」

ダイヤ「……」

果南「スクールアイドルは……絶対にやらない」

梨子「……まったく。ダイヤさん」

ダイヤ「……!?」

梨子「何か知ってますよね?」

ダイヤ「え!?わたくしはなにも……」

梨子「じゃあどうしてさっき、果南さんの肩を持ったんですか?」

ダイヤ「そ、それは……」

ダイヤ「……っ!」ダッ

千歌「善子ちゃん!」

善子「ぎらん!」

ダイヤ「ピギャアァァァ!」

善子「ヨハネだってばー!!」

ルビィ「お姉ちゃん……」

花丸「さすが姉妹ずら……」

 

 

ダイヤ「……」

「「「わざと!?」」」

ダイヤ「……そう、東京のイベントで果南さんは歌えなかったんじゃない。わざと歌わなかったんですの」

鞠莉「どうして?」

善子「まさか、闇の魔術――うぁっ!?」

花丸「……」

ダイヤ「あなたのためですわ」

鞠莉「私の……?」

ダイヤ「覚えていませんか?あの日、鞠莉さんは怪我をしていたでしょう?」

鞠莉「……」

 

鞠莉『……っ!』

ダイヤ『大丈夫ですの!?』

鞠莉『全然!……っ……!』

鞠莉『……果南、やるわよ!』

果南『……』

鞠莉『……?果南……?』

 

鞠莉「そんな……!私は、そんなことしてほしいなんて一言も……!」

ダイヤ「あのまま進めていたら、どうなっていたと思うんですの?怪我だけでなく、事故になってもおかしくなかった」

鞠莉「……でも……!」

ルビィ「だから、逃げたわけじゃないって……」

曜「でも、その後は?」

千歌「そうだよ、怪我が治ったら続けてもよかったのに……」

鞠莉「……そうよ。花火大会に向けて(We could have gotten ready for the fireworks show)、新しい曲作って(made a new song)、ダンスも衣装も完璧にして(perfected our dances and costumes)……なのに……」

ダイヤ「……心配していたのですわ。あなた、留学や転校の話があるたびに、全部断っていたでしょう?」

鞠莉「そんなの当たり前でしょ!?」

「「「……!」」」

千歌「……」

ダイヤ「……果南さんは、思っていたのですわ。このままでは自分たちのせいで、鞠莉さんから未来のいろんな可能性が奪われてしまうのではないか、って」

ダイヤ「そんなとき――」

 

果南『……?』

『本当に断るの!?ご両親も先方も是非って仰ってるの、もし向こうで卒業すれば大学の推薦だって――』

鞠莉『いいんです。私、スクールアイドル始めたんです(I'm a school idol now)』

『……』

鞠莉『学校を救うために』

果南『……』

果南『――』

 

鞠莉「……まさか……それで……?」

鞠莉「っ……!」

ダイヤ「どこへ行くんですの!?」

鞠莉「……ぶん殴る!そんなこと、一言も相談せずに……!」

ダイヤ「……おやめなさい。果南さんはずっとあなたのことを見てきたのですよ」

鞠莉「……!」

幼少期の回想

ダイヤ「――あなたの立場も」

ダイヤ「――あなたの気持ちも」

ダイヤ「――そして、あなたの将来も。誰よりも考えている」

鞠莉「――っ!!」

鞠莉『……そんなのわからないよ。どうして言ってくれなかったの……?』

ダイヤ『ちゃんと伝えていましたわよ?あなたが気付かなかっただけ』

鞠莉「……!はぁ、はぁ――あっ!?」

鞠莉「……!」

鞠莉「……ちゃんと……!」

 

鞠莉『え?』

果南『離れ離れになってもさ……私は、鞠莉のこと――忘れないから』

 

鞠莉「……!」

鞠莉「……果南……」

鞠莉「……っ!」

鞠莉「――――!!!!」

 

 

鞠莉「……」

鞠莉「……」

鞠莉「……ばか」

 

果南「……なに?」

鞠莉「いい加減、話をつけようと思って」

果南「……」ピチャ

果南「……!」

鞠莉「……どうして言ってくれなかったの。思ってること、ちゃんと話して」

鞠莉「果南が私のことを想うように、私も果南のこと考えているんだから……」

果南「……」

鞠莉「……将来なんか今はどうでもいいの。留学?まったく興味なかった……!当たり前じゃない、だって……果南が歌えなかったんだよ?」

鞠莉「――放っておけるはずない……!!」

果南「っ……!!」

鞠莉「……!」パシーン

果南「――!?」

鞠莉「……私が、私が果南を想う気持ちを、甘く見ないで……!!!」

果南「……だったら、だったら素直にそう言ってよ!!リベンジだとか、負けられないとかじゃなく、ちゃんと言ってよ……!!」

鞠莉「……だよね」

果南「あ……」

鞠莉「だから……」

果南「……!」

果南「……」スッ

鞠莉「……!!!」

 

ダイヤ『み、みつかったらおこられますわ!』

果南『へいきだよ!』

鞠莉『……?』

ダイヤ『ピギャッ!?』

果南『いっ……!』

鞠莉『あなたは……?』

果南『……は、はぐ……』

鞠莉『え?』

果南『……』

果南『……はぐ――』

 

果南「――しよ?」

鞠莉「……!!」

鞠莉「っ……!!ひぅっ……!!」

鞠莉「――あああぁっ……!うあぁあぁっ、ううっ、ああぁ……!」

果南「……ぐすっ、うっ、うう……!」

 

 

ダイヤ「……」

千歌「ふふっ」

ダイヤ「!」

千歌「ダイヤさんって、本当に2人が好きなんですね」

ダイヤ「それより、これから2人を頼みましたわよ?ああ見えて2人とも繊細ですから」

千歌「じゃあ、ダイヤさんもいてくれないと!」

ダイヤ「えっ?わたくしは生徒会長ですわよ?とてもそんな時間は……」

千歌「それならだいじょぶです!鞠莉さんと果南ちゃんと……あと、6人もいるので!」

ルビィ「……」

ダイヤ「ルビィ!」

ルビィ「……親愛なるお姉ちゃん!ようこそ、Aqoursへ!」

ダイヤ「……!」

ダイヤ「……」微笑む

 

未熟DREAMER

 

果南「……ふふっ、Aqoursか」

曜「?どうしたの?」

果南「私たちのグループも、Aqoursって名前だったんだよ」

千歌「え?そうなの?」

梨子「そんな偶然が……」

ルビィ「……」コクコク

果南「私も、そう思ってたんだけど……」

曜「じゃあ……」

ダイヤ「…………」

果南「ふふっ」

果南「……千歌たちも、私と鞠莉も、たぶんまんまと乗せられたんだよ(we were all played like fiddles)――」

果南「――誰かさんに(By a certain someone)」

8話写経

聖良「見てて、私たち――Saint Snowのステージを」

千歌「……」

聖良「……」

「でーはー!トップバッターは、このグループ!」

聖良「……フッ」

Saint Snow!!」

聖良「……」

理亞「……」

千歌「……」ゴクリ

SELF CONTROL!!

千歌「――――っ!」

「続いてー、人気急上昇中!の、フレッシュなスクールアイドル!Aqoursのみなさんです!」

曜「――千歌ちゃん!」

千歌「あ……うん!」

 

OP

 

梨子「……この街、1300万人も人が住んでいるのよ」

曜「そうなんだ……」

梨子「って言われても、全然想像できないけどね……」

曜「……やっぱり、違うのかな。そういうところで暮らしていると」

花丸「……どこまで行ってもビルずら」

ルビィ「あれが富士山かなあ?」

花丸「ずら」

善子「フッフッフ……最終呪詛プロジェクト、ルシファーを解放」

善子「魔力2000万のリトルデーモンを……召喚!」

善子「……かっこいい!」

ルビィ「善子ちゃんは元気だね」

善子「善子じゃなくて!ヨ!ハ!ネ!」

花丸「ライブ終わったのにヨハネのままずら」

千歌「……」

千歌「……!」

千歌「……おまたせ~!」

千歌「わ、なにこれすごーい!キラキラしてるー!」

曜「……千歌、ちゃん……」

千歌「それにこれもすっごい美味しいよ!食べる?」

曜「あ、うん……」

千歌「はい!ルビィちゃんたちも!」

ルビィ「あ、ありがとう……」

千歌「全力で頑張ったんだよ?私ね、今日のライブ……今まで歌ってきた中で、出来は一番よかったって思った」

千歌「声も出てたし、ミスも一番少なかったし」

梨子「でも――」

千歌「それに、周りはみんなラブライブ本選に出場しているような人たちでしょ?入賞できなくて当たり前だよ」

梨子「だけど、ラブライブの決勝に出ようと思ったら、今日出ていた人たちくらい上手くないといけないってことでしょう?」

千歌「それは、そうだけど……」

曜「……私ね、Saint Snowを見たときに思ったの」

曜「これがトップレベルのスクールアイドルなんだって、このくらいできなきゃダメなんだって」

曜「……なのに、入賞すらしていなかった」

曜「あの人たちのレベルでも、無理なんだって」

ルビィ「……それはルビィもちょっと思った」

花丸「マルも……」

善子「……な、なに言ってるのよ。あれはたまたまでしょ?天界が放った魔力によって……」

ルビまる「「……」」微笑む

ルビィ「何がたまたまなの?」

花丸「何が魔力ずら?」

善子「え?いや、それは……」

花丸「なぐさめるの下手すぎずら」

善子「な、なによぉ!人が気利かせてあげたのにー!」

千歌「そうだよ!今はそんなこと考えても、しょうがないよ」

梨子「……」

曜「……」

千歌「それよりさ、せっかくの東京だしみんなで楽しもうよ!」

rrrr

「「?」」

千歌「……高海です。え?はい、まだ近くにいますけど……」

 

 

「ごめんなさいねー、呼び戻しちゃって!これ、渡し忘れていたからって思って」

ルビィ「なんだろう……」

善子「もしかして……ギャラ?」

花丸「卑しいずら(Show some class)」

千歌「……?」

「今回、お客さんの投票で入賞グループ決めたでしょ?その集計結果」

千歌「わざわざ、すいません」

「正直、どうしようかなーってちょっと迷ったんだけど……」

「出場してもらったグループにはちゃんと渡すことにしてるから」

千歌「はぁ……」

「じゃあ!」

曜「……見る?」

千歌「うん……」

千歌「!」

千歌「上位入賞したグループだけじゃなくて、出場グループ全部の得票数が書いてある……」

花丸「Aqoursはどこずら?」

千歌「えーっと……あ、Saint Snowだ」

梨子「9位か……もう少しで入賞だったのね」

花丸「Aqoursはー?」

千歌「うん」

千歌「……あ」

千歌「……30位……」

曜「30組中、30位……?」

善子「ビリってこと?」

花丸「わざわざ言わなくていいずら!」

梨子「得票数はどのくらい?」

千歌「えーっと……」

千歌「……」

千歌「……0……」

ルビィ「……そんな……」

梨子「私たちに入れた人、1人もいなかったってこと……?」

千歌「――――」

曜「千歌ちゃん……」

千歌「――――」

聖良「お疲れ様でした」

千歌「……!」

千歌「Saint Snowさん……」

聖良「素敵な歌で、とてもいいパフォーマンスだったと思います」

聖良「ただ、もしμ'sのようにラブライブを目指しているのだとしたら――」

聖良「――諦めた方がいいかもしれません」

「「「……!!」」」

千歌「?」

理亞「……馬鹿にしないで」

千歌「……」

理亞「ラブライブは――遊びじゃない!」

千歌「…………!!」

 

 

「「「……」」」

ルビィ「……泣いてたね、あの子。きっと悔しかったんだね、入賞できなくて……」

花丸「ずら……」

善子「……だからって、ラブライブを馬鹿にしないで、なんて……」

「「「……」」」

曜「……でも、そう見えたのかも」

梨子「……」

「「「……」」」

千歌「……私はよかったと思うけどな」

曜「千歌ちゃん……?」

千歌「精一杯やったんだもん。努力して頑張って、東京に呼ばれたんだよ?それだけですごいことだと思う。でしょ?」

花丸「それは……」

千歌「だから、胸張っていいと思う!今の私たちの精一杯ができたんだから」

曜「……千歌ちゃん」

千歌「?」

曜「千歌ちゃんは、悔しくないの?」

千歌「え?」

よしまるびぃ「「「……!」」」

梨子「……!」

曜「……悔しくないの?」

千歌「……そ、そりゃあちょっとは……でも満足だよ!みんなであそこに立てて、私は……うれしかった」

曜「……」

曜「……そっか」

 

 

ルビィ「戻ってきた~……」

花丸「やっとずらって言えるずら~」

善子「ずっと言ってたじゃない!」

花丸「ずらー!」

「「「おーい!」」」

千歌「みんな……」

「「「おかえりー!」」」

「どうだった、東京は?」

千歌「……あー、うん、すごかったよ。なんかステージもキラキラしてて……」

「ちゃんと歌えた?」「緊張して、間違ったりしなかった?」

曜「うん、それはなんとか……ね?」

梨子「……そうね、ダンスのミスもなかったし……」

千歌「そうそう!今までで、一番のパフォーマンスだったねってみんなで話していたところだったんだー」

「なぁーんだ、心配して損したー」

「じゃあじゃあ、もしかして本気でラブライブ決勝狙えちゃうかもってこと!?」

千歌「……え?」

「そうだよね!東京のイベント、呼ばれるくらいだもんね!」「うんうん!」

千歌「……あー、そうだねー!だと、いいけど……」

ルビィ「……」

花丸「……」

善子「……」

ダイヤ「――おかえりなさい」

ルビィ「……お姉ちゃん……」

ダイヤ「……ふふ」

ルビィ「……!」

ルビィ「……ふ、うっ、う――!」

ダイヤ「……よく頑張ったわね」

ルビィ「ううっ、う、うああっ、ああ……!」

花丸「……」

善子「……」

曜「……」

梨子「……」

千歌「――」

ルビィ「うっ、ああ、ふぅっ、うぅ、うあぁっ、あぁあ……!」

千歌「――――」

 

 

鞠莉「……」

ライト

鞠莉「いつ以来かなあ、こうやって呼び出されるの」

果南「……ダイヤから聞いた、千歌たちのこと」

鞠莉「そう」

果南「――どうするつもり?」

 

Bパート

 

ダイヤ「――得票、ゼロですか」

梨子「はい……」

ダイヤ「やっぱりそういうことになってしまったのですね。今のスクールアイドルの中では」

ルビィ「zzz……」

ダイヤ「先に言っておきますけど、あなたたちは決してダメだったわけではないのです」

ダイヤ「スクールアイドルとして充分練習を積み、見てくれる人を楽しませるに足りるだけのパフォーマンスもしている」

ダイヤ「……でも、それだけではダメなのです。もう、それだけでは」

千歌「……」

曜「どういうことです?」

ダイヤ「……7236。なんの数字かわかります?」

善子「ヨハネのリト――」

花丸「違うずら」

善子「ツッコミはやっ!」

ダイヤ「ふふ。……去年最終的にラブライブにエントリーした、スクールアイドルの数ですわ。第1回大会の10倍以上」

千歌「……」

千歌「……そんなに」

ダイヤ「スクールアイドルは確かに、以前から人気がありました。しかし、ラブライブの大会の開催によって、それは爆発的なものになった」

ダイヤ「A-RISEとμ'sによって、その人気は揺るぎないものになり、アキバドームで決勝が行われるまでになった」

ダイヤ「……そして、レベルの向上を生んだのですわ」

梨子「じゃあ……」

ダイヤ「そう。あなたたちが誰にも支持されなかったのも、わたくしたちが歌えなかったのも、仕方ないことなのです」

千歌「……歌えなかった?」

善子「どういうこと?」

ルビィ「……!」

ダイヤ「……2年前、既に浦の星には統合になるかも、という噂がありましてね――」

 

鞠莉『School idol?』

ダイヤ『そうですわ!学校を廃校の危機から救うには、それしかありませんの!』

果南『鞠莉スタイルいいし、一緒にやったら絶対注目浴びるって!』

鞠莉『Sorry, そういうの興味ないの……』

果南『……ふふん』

果南『ハグッ!』

鞠莉『なにするの!?』

果南『うんって言うまでハグする!』

鞠莉『放してよー!』

ダイヤ『ふふふっ』

果南『ダーメ!』

鞠莉『もー、やめて果南ー!』

果南『やめない!』

ダイヤ『わたくしも仲間に入れてください!』

 

 

鞠莉「――その何が悪かったの?町の人も学校の人も、School idolだと応援してくれたじゃない」

果南「……ライブも上手く行ったしね。でも――」

 

果南『東京?』

ダイヤ『そうですの!わたくしたちが呼ばれたんですのよ!』

鞠莉『ダイヤ、ずいぶん鼻息がvery hard……』

ダイヤ『っ!とにかくチャンスですわ!このイベントで有名になれば、ラブライブが一気に近づきますわ!』

かなまり『……ふふっ』

 

 

ダイヤ「――でも、歌えなかったのですわ」

回想

ダイヤ「他のグループのパフォーマンスのすごさと、巨大な会場の空気に圧倒され――」

ダイヤ「――何も歌えなかった。あなたたちは歌えただけ立派ですわ」

曜「じゃあ、反対してたのは……」

ダイヤ「……いつかこうなると思っていたから」

千歌「……」

ダイヤ『これは今までのスクールアイドルの努力と、町の人たちの善意があっての成功ですわ。勘違いしないように』

 

果南「外の人にも見てもらうとか、ラブライブに優勝して学校を救うとか――」

果南「――そんなのは絶対に無理なんだよ」

鞠莉「だから諦めろって言うの?」

果南「……私はそうすべきだと思う」

果南「……!」

鞠莉「……果南……」

果南「……」

鞠莉「……」

果南「――誰かが、傷つく前に(Before someone gets hurt)」

鞠莉「……」

鞠莉「……私は諦めない……必ず取り戻すの、あの時を!果南とダイヤと失ったあの時を……!」

鞠莉「私にとって……宝物だった、あの時を……」

 

 

美渡「はやくお風呂入っちゃいなよー!」

千歌「うん……」

美渡「梨子ちゃんも早く休んでね」

梨子「はい、ありがとうございます」

梨子「千歌ちゃん……」

千歌「?」

梨子「大丈夫?」

千歌「……うん。少し考えてみるね」

千歌「私がちゃんとしないと、みんな困っちゃうもんね」

梨子「……」

 

 

花丸「……ずら」

 

善子「今日もおしまいっ。……ふぅ……」

 

ルビィ「……ここで、こう……!ピギィ!?」

ルビィ「……」

 

 

ダイヤ「――ええ、話しましたわ。きちんと」

果南「そう……」

ダイヤ「よかったんですわよね、これで(This is what you wanted, right?)」

果南「……」

ダイヤ「……これで……(This is what you wanted...)」

 

 

曜「……」

曜『――千歌ちゃん。……やめる?』

千歌『……』

曜『やめる?スクールアイドル』

千歌『……』

曜『……』

曜「うぅ~ん…………」

 

 

梨子「……」

「身体、冷えるわよ?」

梨子「うん……」

梨子「……」

 

千歌「……」

千歌「ふぅ……」

千歌「……」μ'sのポスターに手を伸ばす

Saint Snowの回想、0

千歌「……!」

千歌「……」

 

 

梨子「――」

梨子「――?」

梨子「……」千歌の部屋を見つめる

梨子「……?」

千歌「……」

梨子「千歌、ちゃん……」

千歌「……」

千歌「……っ!」

 

梨子「――千歌ちゃーん!!千歌ちゃーん!!!!」

梨子「千歌ちゃーん!!!千歌ちゃーん!!!」

梨子「……!」

千歌「あれ?梨子ちゃん……」

梨子「はぁ……いったい何してるの?」

千歌「え?あぁ、うん……何か、見えないかなーって」

梨子「え?」

千歌「ほら、梨子ちゃん海の音を探して潜ってたでしょ?」

千歌「だから私も何か見えないかなーって」

梨子「……それで?」

千歌「うん!」

梨子「ふふっ……それで、見えたの?」

千歌「ううん、なにも」

梨子「なにも?」

千歌「うん。なにも見えなかった」

千歌「でもね、だから思った。続けなきゃって」

千歌「私、まだ何も見えてないんだって。先にあるものがなんなのか」

千歌「このまま続けても、0なのか、それとも1になるのか、10になるのか――」

千歌「――ここでやめたら全部わからないままだって」

梨子「千歌ちゃん……」

千歌「だから私は続けるよ、スクールアイドル。だってまだ0だもん」

千歌「……0だもん。0なんだよ……あれだけみんなで練習して、みんなで歌を作って、衣装も作ってPVも作って、頑張って頑張って、みんなにいい歌聴いてほしいって……」

千歌「……スクールアイドルとして、輝きたいって――」

千歌「……っ」

梨子「……」

千歌「っ……!」

梨子「……!?」

千歌「――なのに0だったんだよ!?悔しいじゃん!!!……っ!!」

梨子「あ……!」

千歌「差がすごいあるとか、昔とは違うとか、そんなのどうでもいい!!」

千歌「――悔しい!!やっぱり私、悔しいんだよ……!!」

千歌「うぅっ……!!」

千歌「……あ……!」

梨子「――よかった……!やっと素直になれたね……!」

千歌「……だって私が泣いたら、みんな落ち込むでしょ?今まで頑張ってきたのに、せっかくスクールアイドルやってくれたのに、悲しくなっちゃうでしょ……?」

千歌「……だから、だから……っ!」

梨子「……ふふっ、馬鹿ね……!みんな千歌ちゃんのためにスクールアイドルやってるんじゃないの……自分で決めたのよ。私も――」

千歌「――!?」

梨子「曜ちゃんも、ルビィちゃんも、花丸ちゃんも、もちろん善子ちゃんも」

曜「おーーい!!」

千歌「……でも……!」

梨子「だからいいの。千歌ちゃんは、感じたことを素直にぶつけて、声に出して」

曜「千歌ちゃん!」

ルビィ「えへへ」

花丸「ずら!」

善子「うわぁっ!?」

梨子「――みんなで一緒に歩こう。一緒に」

千歌「……ぅ、うぅっ、うわぁあん……!ああぁ、っ、あぁ……!」

梨子「今から、0を100にするのは無理だと思う」

梨子「――でも、もしかしたら1にすることはできるかも!」

梨子「私も知りたいの。それができるか」

千歌「……うん……!」

光が射す

「「「うわぁ……!!」」」

千歌「――うん!」

 

 

千歌「」集計結果を貼る

「「「」」」目を合わせる

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ホワイトボード

0

 

ED

7話写経

ダイヤ「前回の!」

「「「ラブライブ!サンシャイン!!」」」

『『『統廃合!?』』』

ダイヤ「Aqoursは学校存続に向けて、活動を開始」

千歌『特に何も無いです!』

ダイヤ「この学校と町の魅力を伝えようと、悪戦苦闘」

鞠莉『努力の量と結果は比例しません!』

ダイヤ「千歌たちは奮起して――」

梨子『これなんじゃないかな。この町や学校のいいところって』

千歌『――そうだ!』

ダイヤ「学校存続に向けて、大きな一歩を踏み出したのですわ」

 

 

千歌「この前のPVが5万再生?」

曜「ほんとに?」

善子「ランタンが綺麗だって評判になったみたい」

善子「ランキングも……」

梨子「99位!?」

花丸「ずら!?」

千歌「……来た!きたきたー!それって全国でってことでしょ?5000以上いるスクールアイドルの中で、100位以内ってことでしょ!?」

梨子「一時的な盛り上がりってこともあるかもしれないけど、それでもすごいわね!」

ルビィ「ランキング上昇率では1位!」

花丸「わぁ~、すごいずら!」

千歌「なんかさ、このまま行ったらラブライブ優勝できちゃうかも!」

曜「優勝?」

梨子「そんな簡単なわけないでしょう?」

千歌「分かっているけど、でも可能性は0じゃないってことだよ」

メール

善子「?これ……」

千歌「なになに?」

ルビィ「Aqoursのみなさん、東京スクールアイドルワールド運営委員会」

曜「東京?」

ルビィ「って書いてあります」

千歌「東京って、あの東にある京の……」

梨子「……なんの説明にもなってないけど」

「「「「「「……」」」」」」

「「「「「「……!!」」」」」」

「「「「「「東京だー!」」」」」」

千歌「わぁ……!」

 

OP

 

ダイヤ「東京?」

ルビィ「うん……」

ルビィ「イベントで、一緒に歌いませんかって」

ダイヤ「東京の、スクールアイドルイベント……」

ルビィ「うぅ……あ、ちゃんとしたイベントで、去年入賞したスクールアイドルもたくさん出るみたいで――」

千歌『行きます!』

梨子『交通費とか大丈夫なの?』

千歌『うぁ~お小遣い前借りでー!』

ルビィ「――って、千歌ちゃんが」

ダイヤ「……」

ルビィ「……」

ダイヤ「……東京の……」

ルビィ「やっぱり、ダメ?」

ダイヤ「鞠莉さんはなんと言ってるの?」

ルビィ「みんなが良ければ、理事長として許可を出すって」

ダイヤ「……」

ダイヤ「……」スタスタ

ルビィ「……お姉ちゃん!」

ダイヤ「……」

ルビィ「お姉ちゃんは、やっぱり嫌なの?ルビィがスクールアイドル続けること……」

ダイヤ「……ルビィ」

ルビィ「?」

ダイヤ「ルビィは自分の意志で、スクールアイドルを始めると決めたのですよね?」

ルビィ「うん」

ダイヤ「だったら、誰がどう思おうが関係ありません、でしょう?」

ルビィ「でも……」

ダイヤ「ごめんなさい、混乱させてしまってますよね」

ダイヤ「あなたは気にしなくていいの。わたくしは、ただ……」

ルビィ「ただ……?」

ダイヤ「……いえ、もう遅いから、今日は寝なさい」

ルビィ「…………」

 

 

鞠莉「来ると思った」

ダイヤ「……どういうつもりですの」

ダイヤ「あの子たちを今、東京に行かせるのがどういうことかわかっているのでしょう?」

鞠莉「ならば止めればいいのに」

ダイヤ「……!」

鞠莉「ダイヤが本気で止めれば、あの子たち諦めるかもしれないよ?」

鞠莉「ダイヤも期待してるんじゃない?私たちが乗り越えられなかった壁を、乗り越えてくれることを」

ダイヤ「……もし越えられなかったらどうなるか、充分知っているでしょう?取り返しがつかないことになるかもしれないのですよ」

鞠莉「だからと言って、避けるわけには行かないの。本気でスクールアイドルとして、学校を救おうと考えているなら」

ダイヤ「っ……!」

鞠莉「……」

ダイヤ「……変わっていませんわね、あの頃と」

 

 

千歌「東京トップス!」

千歌「東京スカート!」

千歌「東京シューズ!」

千歌「そしてー、東京バッグ!」

梨子「……いったい何がどうしたの?」

千歌「かわいいでしょ!」

美渡「クックックッ……w」

梨子「東京行くからってそんなに構えなくても……」

美渡「やべっ」

千歌「?梨子ちゃんはいいよ、内浦から東京行くなんて一大イベントなんだよ!」

梨子「……」

「「おはようございまーす」」

梨子「!……あはは……――っ!?」

ルビィ「どうでしょう……ちゃんとしてますか?」

梨子「っ……」

千歌「うっわぁぁ~……」

花丸「こ、これで、渋谷の険しい谷も大丈夫ずらか!」

梨子「……なに、その仰々しい格好は……」

「「がーん!!」」

梨子「それに渋谷は険しくない」

千歌「2人とも地方感丸出しだよ」

梨子「あなたもよ」

千歌「ええぇ~!!」

 

 

花丸「結局、いつもの服になってしまった……」

梨子「そっちの方が、かわいいと思うけど?」

花丸「本当ずら?」

梨子「ええ。でもそのずらは気をつけた方がいいかも……」

ルビィ「……」

花丸「ずら!」

ルビィ「……」

ダイヤ『ルビィ。気持ちを、強く持つのですよ』

ルビィ「……どういう意味だろう」

花丸「ルビィちゃん」

ルビィ「?」

花丸「マルがずらって言いそうになったら、止めてね?」

ルビィ「……うん」

 

曜「遅いなー……」

善子「フフフ……」

曜「……」

善子「天つ雲居の彼方から堕天したるこの私が、魔都にて冥府より数多のリトルデーモンを召喚しましょう……」

「ねえねえ、あれなに?」

「しっ見ちゃダメ」

曜「……ものすごく注目されてるんですけど……」

「「「くっくっく」」」

千歌「善子ちゃんも」

ルビィ「やってしまいましたね」

善子「っ!」

花丸「善子ちゃんもすっかり堕天使ずらー」

善子「ぐぬぬぬ……」

曜「みんな遅いよー!」

善子「善子じゃなくて――」

「「「!?」」」

善子「ヨハネ!」

周りが逃げ出す

「こっち来なさい!」

善子「せっかくのステージ!溜まりに溜まった堕天使キャラを解放しまくるの!」

「「「「お、おう……」」」」

 

志満「梨子ちゃん」

梨子「はい」

志満「みんな、あんまり東京に慣れてないからよろしくね」

梨子「……はい」

「千歌ー!」

千歌「あ、むっちゃん!」

「イベント、頑張ってきてね!」

「これ、クラスみんなから」

千歌「わぁ、ありがとう!」

「それ食べて、浦女のすごいところ見せてやって!」

千歌「(真剣な表情)……うん!頑張る!」

「いってらっしゃーい!」

千歌「いってきまーーす!!!」

 

 

千歌「次の電車、どっち?」

曜「えーっと、こっち?」

善子「感じる……魔都の波動を……」

花丸「美味しいずらー」

善子「雰囲気こわれる!」

千歌「うわぁ~……!」根府川駅から国府津の海を見る

 

 

善子「フフ……」

「お願いします!」

善子「フフ……」

「はいいくよー」

善子「ここが、遍く魔の者が闊歩すると言い伝えられる約束の地……魔都、東京」

千歌「うわぁ~、見てみて!ほらあれ、スクールアイドルの広告だよね!?」

曜「はしゃいでると、地方から来たって思われちゃうよ」

ルビィ「そ、そうですよね……慣れてますーって感じにしないと」

千歌「そっか……うん!」

千歌「ほっほっ、ほんと原宿っていっつもこれだからマジやばくなーい?ほーっほっほっほ!」

「ふふ、かわいいわね」

曜「千歌ちゃん」

梨子「ここ、アキバ……」

千歌「てへぺろ!」

ルビィ「あれぇ?」

花丸「うわあぁあぁ~……未来ずら、未来ず――!」

ルビィ「」肩ポン

花丸「――ふぅ」

ルビィ「……あれ、みんなは?」

 

千歌「かがやく~~!!」

千歌「缶バッジもこんなに種類がある!あ、あぁ、このポスター見るの初めて!」

曜「あっ、かわいい!」

梨子「時間なくなるわよー?」

善子「あれ?花丸とルビィは?」

梨子「?」

善子「!」

黒魔術ショップ堕天使

善子「……堕天使……」ゴクリ

曜「♪~……?」

制服専門店

曜「……制服……100種類以上……!?」ゴクリ

千歌「さぁ、じゃあみんなで明日のライブの成功を祈って、神社の方に……!」

梨子「……」

千歌「……あれ?」

 

千歌「うん、うん!大きなビルの下!見えない?」

ルビィ「あぁ、いました!」

花丸「すみませ~ん!」

千歌「善子ちゃんと曜ちゃんは?」

梨子「2人とも場所はわかるから、もう少ししたら行くって」

千歌「もう少しって?」

梨子「さぁ……」

千歌「もう!みんな勝手なんだから!」

梨子「しょうがないわね……」

梨子「……?」

新作同人誌

梨子「――はっ!?壁……クイ……!?」

千歌「梨子ちゃん?」

梨子「!?な、なんでもない!!」

千歌「なにが?」

梨子「い、いえ……!わ、私、ちょっとお手洗い行ってくるねー!」

千歌「ええぇぇええー!!?」

 

 

千歌「もう、時間無くなっちゃったよー。せっかくじっくり見ようと思ったのに……」

梨子「……!!」同人誌を背中に隠す

善子「な、なによ!だから言ってるでしょ、これはライブのための道具なの!」

千歌「はぁ……そんな格好して……」

曜「だって、神社に行くって言ってたから!似合いますでしょうか!」

千歌「……敬礼は違うと思う」

 

千歌「――ここだ」

ルビィ「これが、μ'sがいつも練習していたって階段……!」

千歌「……うん……!」

千歌「……登ってみない?」

梨子「そうね」

千歌「よーし!じゃあみんな行くよー!よーい!」

「「うぇぇ!?」」「待ちなさいよー!」

千歌(……μ'sが登ってたんだ……!ここを……!)

千歌(……ラブライブを、目指して……!)

千歌「――はぁ、はぁ、はぁ……」

♪~

千歌「……?」

Saint Snow「♪~」

千歌「……!」

Saint Snow「……」

千歌「……あ」

Saint Snow「……フフ」

 

Bパート

 

聖良「こんにちは」

千歌「こ、こんにちは」

梨子「千歌ちゃん?」

善子「まさか、天界勅使?」

聖良「あら?あなたたちもしかして、Aqoursのみなさん?」

千歌「うそ、どうして……」

善子「この子、脳内に直接……!」

花丸「マルたち、もうそんなに有名人?」

ルビィ「……!ピギィ!」

聖良「……PV、見ました。素晴らしかったです」

千歌「あ、ありがとうございます!」

聖良「もしかして……明日のイベントでいらしたんですか?」

千歌「はい」

聖良「そうですか。楽しみにしてます」

理亞「――!」

梨子「!?」

曜「!?」

よしまるびぃ「!?」

理亞「……」

聖良「……では」

理亞「……」

ルビィ「……すごいです」

花丸「東京の女子高生って、みんなこんなにすごいずら?」

善子「あったりまえでしょ!東京よ、東京!」

千歌「……歌、綺麗だったな……」

 

 

花丸「ふぅぅ~、落ち着くずら~」

梨子「気に入ってくれたみたいでうれしいわ」

曜「なんか、修学旅行みたいで楽しいね!」

ルビィ「あはは……」

善子「堕天使ヨハネ、降臨!やばい……かっこいい……!」

花丸「ご満悦ずら」

善子「あんただって、東京のお菓子でご満悦のくせに!」

梨子「降りなさい!」

善子「ううっ……」

花丸「お土産に買ったけど、夜食用にもまだ別に取ってあるず……ん……?」

曜「ほえ?」

梨子「旅館のじゃなかったの?」

花丸「マルのバックトゥザピヨコ饅頭ーー!!」

ルビィ「花丸ちゃん、夜食べると太るよ?」

善子「静かにして!集中できないでしょ!」

花丸「もういいずら、食べちゃうずら!はむっ」

ルビィ「……それより、そろそろ布団敷かなきゃ……っおっとっとっ……ピギィ!?」

千歌「――ねえ!今、旅館の人に聞いたんだけ……ど……あれ?」

 

曜「音ノ木坂って、μ'sの?」

千歌「うん、この近くなんだって。梨子ちゃん?」

梨子「?」

千歌「今からさ、行ってみない?」

梨子「え……?」

千歌「みんなで!」

「「「え?」」」

千歌「私、一回行ってみたいって思ってたんだ!μ'sが頑張って守った高校、μ'sが練習していた学校!」

梨子「……」

ルビィ「ルビィも行ってみたい!」

曜「私も賛成!」

花丸「東京の夜は物騒じゃないずら?」

善子「な、なに?怖いの?(Is it scary?)」

花丸「善子ちゃん、震えてるずら……」

梨子「ごめん、私はいい……」

「「「え?」」」

梨子「先に寝てるから、みんなで行ってきて」

「「「……」」」

千歌「梨子ちゃん……」

曜「……やっぱり、寝よっか」

ルビィ「……そうですね、明日ライブですし」

千歌「……」

 

 

梨子「……」

梨子「?」

善子「……スティグマ天使……」

梨子「……」

千歌「……眠れないの?」

梨子「……千歌ちゃんも?」

千歌「うん、なんとなく」

梨子「……ごめんね、なんか空気悪くしちゃって」

千歌「ううん、こっちこそ……ごめん」

梨子「……」

梨子「……音ノ木坂って、伝統的に音楽で有名な高校なの」

梨子「私、中学の頃ピアノの全国大会行ったせいか、高校では結構期待されてて」

千歌「……そうだったんだ」

梨子「音ノ木坂が嫌いなわけじゃないの。ただ、期待に応えなきゃって……いつも練習ばかりしてて」

梨子「……でも結局、大会では上手く行かなくて」

千歌「期待されるって、どういう気持ちなんだろうね」

梨子「え?」

千歌「沼津出る時、みんな見送りに来てくれたでしょ?」

のっぽパンの辺りの回想

千歌「みんなが来てくれて、すごいうれしかったけど……実はちょっぴり怖かった」

千歌「『期待に応えなくちゃ』って、『失敗できないぞ』って」

梨子「千歌ちゃん……」

千歌「……ごめんね。全然関係ない話して」

梨子「……ううん、ありがとう」

千歌「え?」

梨子「……寝よ。明日のために」

千歌「……うん!」

 

 

千歌「……」

千歌「……」

 

千歌「……」

千歌「……よし」

 

千歌「……はっ、はっ、はっ……」

千歌「……ふぅ」

UTXモニター

千歌「わぁ……!」

千歌(……ここで初めて見たんだ。スクールアイドルを……μ'sを……!)

曜「千歌ちゃん!」

千歌「?」

「「「はぁ……はぁ……」」」

曜「やっぱり、ここだったんだね!」

千歌「……みんな……」

梨子「練習行くなら声かけて?」

善子「1人で抜け駆けなんてしないでよね!」

花丸「帰りに神社でお祈りするずらー!」

ルビィ「だね!」

千歌「うん!」

千歌「?」

「「「「「?」」」」

LoveLive! School idol project

千歌「……ラブ、ライブ……」

ルビィ「ラブライブ!今年のラブライブが発表になりました!」

ENTRY START AKIBA DOME

曜「ついに来たね」

梨子「どうするの?」

千歌「……もちろん出るよ!」

千歌「μ'sがそうだったように、学校を救ったように!」

千歌「さあ、行こう!今、全力で輝こう!」

「「「「「「Aqours!サンシャイン!!」」」」」」

 

 

千歌「ランキング?」

「えぇ。会場のお客さんの投票で、出場するスクールアイドルのランキングを決めることになったのー!」

曜「上位に入れば、一気に有名になるチャンスってことですか?」

「まぁ、そうだね!Aqoursの出番は2番目!元気にはっちゃけちゃってね!」

千歌「2番……」

梨子「前座ってことね……」

ルビィ「仕方ないですよ、周りは全部ラブライブの決勝に出たことがあるグループばかりですから」

花丸「そうずらか……」

千歌「でも、チャンスなんだ。頑張らなきゃ」

 

 

曜「緊張してる?」

梨子「そりゃあね……」

曜「じゃあ、私と一緒に敬礼!おはヨーソロー!」

梨子「お、おはヨーソロー……」

曜「よくできました!緊張が解けるおまじないだよ!」

花丸「ルビィちゃん」

曜「?」

ルビィ「……やっぱり無理です……!」

花丸「……ルビィちゃん。ふんばるビィ、ずら」

善子「堕天使の神気を以って、天界を穿つ時が来たのです」

千歌「ダメダメ、弱気になっちゃ」

Aqoursのみなさーん、お願いしまーす!」

 

ルビィ「す、すごい人です……」

善子「だっ、だ、だ、大丈夫よ!」

千歌「……ふふっ」

Saint Snow「……」

千歌「……!」

聖良「……よろしくお願いしますね」

千歌「……スクールアイドル、だったんですか」

聖良「あれ、言ってませんでしたっけ」

聖良「私は、鹿角聖良」

理亞「……」

聖良「理亞」

理亞「……」

聖良「見てて、私たち――Saint Snowのステージを」

 

ED