3話写経

梨子「前回の!」

「「「ラブライブ!サンシャイン!!」」

梨子「千歌ちゃんは東京から来た転校生のスカウトを続ける」

梨子『ごめんなさーい!』

千歌『待っ――わぶっ』

千歌『聴こえた?』

梨子『うん……!』

梨子「そんなとき、3人で海の音を聴いたことをきっかけに曲作りをすることになった」

ようちか『『かし?』』

梨子「一緒に作業するうちに、スクールアイドルの魅力に気づく」

千歌『それって――とっても素敵なことだよ?』

梨子「そして、新たな事件が――」

 

 

「「「1,2,3,4……」」」

曜「はい、ストップ!」

曜「よっと」Playボタン

千歌「どう?」

梨子「だいぶ良くなってきている気がするけど……」

曜「でも、ここの蹴り上げがみんな弱いのと、ここの動きも」

千歌「わー、ほんとだー!」

梨子「さすがね、すぐ気づくなんて」

曜「高飛び込みやってたからフォームの確認は得意なんだ!……リズムは?」

梨子「だいたいいいけど、千歌ちゃんが少し遅れてるわ」

千歌「わたしかー!!」

千歌「……?」

ブロロロロ

梨子「なに、あれ?」

曜「小原家のヘリだね」

梨子「小原家?」

曜「淡島にあるホテル経営してて、新しい理事長もそこの人らしいよ」

千歌「へぇ~」

千歌「…………なんか、近付いてない?」

梨子「……気のせいよ」

曜「でも……」

「「「うわー!」」」

千歌「なになに!?」

鞠莉「チャオ~!」

 

OP

 

千歌「え?新理事長?」

鞠莉「Yes! でもあまり気にせず、気軽にマリーって呼んでほしいの!」

曜「でも……」

鞠莉「紅茶、飲みたい?」

千歌「あの、新理事長」

鞠莉「マリーだよ!」

千歌「m,マリー……その制服は……」

鞠莉「どこか変かなー?3年生のリボンはちゃんと用意したつもりだけど……」

千歌「理事長ですよね?」

鞠莉「しかぁーし!この学校の3年生、生徒兼理事長!カレーギュードンみたいなものね!」

梨子「例えがよくわからない……」

鞠莉「分からないの??」

ダイヤ「分からないに決まってます!」

曜「生徒会長?」

鞠莉「オー、ダイヤ久しぶりー!随分大きくなって!」

ダイヤ「触らないでいただけます?」

鞠莉「胸は相変わらずねぇ」

ダイヤ「っやかましい!……ですわ」

鞠莉「イッツジョーク!」

ダイヤ「まったく、1年のときにいなくなったと思ったらこんなときに戻ってくるなんて、いったいどういうつもりですの?」

鞠莉「シャイニー!」

ダイヤ「人の話を聞かない癖は相変わらずのようですわね」胸ぐらをつかむ

鞠莉「イッツジョーク」

ダイヤ「とにかく、高校3年生が理事長なんて冗談にもほどがありますわ」

鞠莉「そっちはジョークじゃないからね」

ダイヤ「は?」

鞠莉「私のHome、小原家の学校への寄付は相当な額なの」

千歌「うそ!?」

ダイヤ「そんな、なんで!?」

鞠莉「実は、この浦の星にスクールアイドルが誕生したという噂を聞いてね」

ダイヤ「まさか、それで?」

鞠莉「そう!ダイヤに邪魔されちゃかわいそうなので、応援しにきたのです」

千歌「ほんとですか!?」

鞠莉「Yes! このマリーが来たからには、心配いりません!デビューライブはアキバデュームを用意してみたわ!」

梨子「そんな!いきなり……」

千歌「き、きせきだよ!!」

鞠莉「イッツジョーク!」

千歌「ジョークのためにわざわざそんなもの用意しないでください」

鞠莉「実際には……」

 

曜「ここで?」

鞠莉「はい。ここを満員にできたら、人数にかかわらず部として承認してあげますよ」

千歌「ほんと!?」

鞠莉「部費も使えるしね」

梨子「でも、満員にできなければ?」

鞠莉「そのときは、解散してもらうほかありません」

千歌「えぇ!?そんなぁ……」

鞠莉「嫌なら断ってもらっても結構ですけど?どうします?」

梨子「どう、って……」

曜「結構広いよね、ここ。……やめる?」

千歌「やるしかないよ!他に手があるわけじゃないんだし」

曜「そうだね!」

鞠莉「Okay, 行うということでいいのね」立ち去る

梨子「……待って!」

ようちか「「?」」

梨子「この学校の生徒って、全部で何人?」

曜「えぇーっと……あっ!」

千歌「なになに?」

梨子「わからない?全校生徒、全員来ても――ここは、満員にならない」

千歌「……うそ」

曜「まさか、鞠莉さんそれわかってて……」

 

 

千歌「どうしよう……」

梨子「でも、鞠莉さんの言うこともわかる。そのくらいできなきゃ、この先もダメということでしょう?」

千歌「やっと曲ができたばかりだよ!ダンスもまだまだだし……」

曜「じゃ、諦める?」

千歌「っあきらめない!」

梨子「なんでそんな言い方するの?」

曜「こう言ってあげた方が、千歌ちゃん燃えるから」

「次は、伊豆三津シーパラダイス

千歌「……そうだ!」

曜「ね?」

 

 

千歌「おねがい!いるでしょ、従業員……」

美渡「そりゃいることはいるよ」

千歌「何人くらい?」

美渡「本社も入れると……200人くらい?」

千歌「200人……!」

千歌「あのね、私たち来月の初めにスクールアイドルとしてライブを行うことにしたのね」

美渡「フッ、スクールアイドル?あんたが?」

千歌「でね、お姉ちゃんにも来てほしいなって思って……!会社の人200人ほど誘って……」

美渡「……」

千歌「満員にしないと学校の公認がもらえないの!だからおねがい!」

 

 

千歌「……おかしい。完璧な作戦のはずだったのに……」

曜「お姉さんの気持ちも、わかるけどねー」

千歌「うぇ!?曜ちゃんお姉ちゃん派!?……あれ、梨子ちゃんは?」

曜「お手洗い行くって言ってたけど……」

梨子「……!……!!!」

千歌「あれ、何やってんの?」

梨子「はぁ……」

曜「それよりも、人を集める方法でしょ?」

梨子「!?」

千歌「そうだよね、何か考えないと……」

梨子「……!」

曜「町内放送で呼びかけたら?頼めばできると思うよ」

梨子「!……!」

千歌「あとは沼津かなあ。向こうには高校いっぱいあるから、スクールアイドルに興味ある高校生もいると思うし」

梨子「ひいいいい!!!」

 

 

梨子「東京に比べると人は少ないけど、やっぱり都会ね」

曜「そろそろ部活終わった人たちが来るころだよね」

千歌「よーし!気合入れて配ろう!」

 

千歌「あの!お願いします!」

千歌「……あれ?」

梨子「意外と難しいわね」

曜「こういうのは、気持ちとタイミングだよ!見てて!」

曜「ライブのお知らせでーす!よろしくお願いしまーす!」

「ライブ?」

曜「はい!」

「あなたが歌うの?」

曜「はい!来てください!」

「日曜かー、行ってみる?」

「いいよ」

曜「よろしくお願いしまーす!」

梨子「すごい……」

千歌「よし!私も!」

千歌「――ライブやります。ぜひ」

「え……でも……」

千歌「ぜひ!」

「ど、どうも……!」

千歌「勝った!」

梨子「勝負してどうするの?」

千歌「つぎ、梨子ちゃんだよ?」

梨子「え、私?」

千歌「当たり前でしょ?3人しかいないんだよ」

梨子「それは、わかってるけど……」

曜「お願いしまーす!」

梨子「こういうの苦手なのに……」

曜「お願いしまーす!」

梨子「あの、ライブやります!来てね!」

千歌「……なにやってるの?」

梨子「練習よ、練習」

千歌「練習してる暇なんてないの!さぁ!」

梨子「へ、千歌ちゃん?あ、ちょ、待って、ちょっと――!」

善子「!?」

梨子「――あ、すみません!」

梨子「……あ、あの……お願いします!」

善子「……」

梨子「あの……」

善子「……!」チラシを奪い去る

梨子「……やった」

曜「……あの人、どっかで見たような……」

 

 

ルビィ「うわぁ~……!」

花丸「決めた?」

ルビィ「うん!これにする!」

花丸「ほんとにアイドル好きなんだね」

ルビィ「花丸ちゃんは?」

花丸「マルは……これ!」

ルビィ「そ、そんなに?」

 

 

曜「お願いしまーす!」

千歌「お願いしまーす!」

千歌「……あ。花丸ちゃーん!」

ルビィ「……!」

千歌「花丸ちゃーん!はい!」

花丸「ライブ?」

千歌「花丸ちゃんも来てね!」

ルビィ「やるんですか!?」

千歌「え?」

ルビィ「……!」花丸の影に隠れる

千歌「……絶対満員にしたいんだ。だから、来てね?ルビィちゃん」

ルビィ「……」

千歌「じゃあ私、まだ配らなきゃいけないから!」

ルビィ「あああ、あの!」

千歌「え?」

ルビィ「ぐ、グループ名はなんて言うんですか?」

千歌「ぐるーぷ……めい?」

千歌「……あ……」

 

Bパート

 

梨子「まさか、決めてないなんて」

千歌「梨子ちゃんだって、忘れてたくせに」

曜「とにかく、早く決めなきゃ」

千歌「そーだよねー、どうせなら学校の名前入ってる方がいいよね。浦の星スクールガールズとか?」

梨子「まんまじゃない」

千歌「じゃあ梨子ちゃん決めてよー」

梨子「ええ?」

曜「そうだね、ほら東京で最先端の言葉とか!」

千歌「うん、そうだよそうだよ!」

梨子「……えぇ、えーっと……じゃあ、3人海で知り合ったから……スリーマーメイドとか……?」

ようちか「「1,2,3,4……」」

梨子「――待って!今のなし!」

 

千歌「曜ちゃんはなにかない?」

曜「んー……制服少女隊!どう?」

千歌「ないかな」

梨子「そうね」

曜「えーー!!??」

梨子「はぁ……こういうのはやっぱり、言い出しっぺがつけるべきよね」

曜「さんせーい!」

千歌「戻ってきたぁー!」

梨子「じゃあ制服少女隊で良いって言うの?」

千歌「スリーマーメイドよりはいいかな……」

梨子「それはなしって言ったでしょ!?」

千歌「だって……」

千歌「……?」

Aqours

千歌「これ、なんて読むの?」

千歌「えーきゅーあわーず……」

梨子「アキュア……?」

曜「もしかして、アクア?」

梨子「水ってこと?」

千歌「水かぁ……」

千歌「なんか、良くない?グループ名に」

梨子「これを?誰が書いたのかもわからないのに?」

千歌「だから良いんだよ!名前決めようとしているときに、この名前に出会った。それって、すごく大切なんじゃないかな!」

曜「そうかもね」

梨子「このままじゃ、いつまでも決まりそうにないし」

千歌「じゃあ、決定ね!この出会いに感謝して、今から、私たちは――」

 

 

「「「浦の星女学院スクールアイドル、Aqoursです!」」」

梨子「待って、でもまだ学校から正式な承認もらってないんじゃ……」

千歌「あぁー!じゃあ、えーっと……浦の星女学院非公認アイドル、Aqoursです!今度の土曜14時から、浦の星女学院体育館にてライブ――」

梨子「非公認っていうのはちょっと……」

ダイヤ「……💢💢」

千歌「じゃあ、なんて言えばいいのーーー!!!!」

 

 

梨子「よろしくお願いします」

千歌「よろしくー!」

梨子「ありがとうございます!」

「「「次は私たちもー!」」」

ちかりこ「「?」」

曜「じゃあ、せーの……全速前進ー!」

「「「ヨーソロー!」」」

千歌「さすが曜ちゃん、人気者ー……」

梨子「あはは……」

 

 

「手伝い?」

千歌「うん!」

「いいよ」

千歌「ほんと!?」

「もちろん!」

 

 

梨子「……」

ようちか「「……」」

ようちか「「……おぉ!ゴージャス!!」」

 

 

梨子「ここでステップするより、こう動いた方がお客さんに正対できていいと思うんだけど」

曜「じゃあ、ここで私がこっちに回り込んでサビに入る?」

梨子「間に合う?千歌ちゃーん、どう思う?」

千歌「zzz……」

梨子「……今日はそろそろおしまいね」

曜「うん」

曜「……って、ああっ、もうこんな時間!?バス終わっちゃってる……」

梨子「え!?」

 

 

曜「……うん、うん」

志満「大丈夫だった?」

曜「はい、いい加減にしなさいって怒られちゃったけど」

志満「ほんと、夢中よね」

曜「?」

志満「千歌ちゃんがここまでのめり込むなんて思わなかった」

曜「そうですか?」

志満「ほら、あの子ああ見えて飽きっぽいところあるでしょ?」

曜「飽きっぽいんじゃなくて、中途半端が嫌いなんですよ。やる時はちゃんとやらないと、気が済まないっていうか」

志満「……そっか。さすが曜ちゃん」

曜「えへへ」

志満「それで、うまく行きそうなの?ライブは」

曜「…………うん。行くといいけど」

志満「……満員か」

曜「人、少ないですからね、ここらへん」

曜「……」

志満「大丈夫よ。みんな、あたたかいから」

曜「……ふふ」

 

 

善子「……」

 

梨子「やっぱり慣れないわ。本当にこんなに短くて大丈夫なの?」

千歌「大丈夫だって!μ'sの最初のライブの衣装だって……これだよ!」

梨子「……はぁ。やっぱりやめておけばよかったかも、スクールアイドル」

曜「大丈夫!ステージ出ちゃえば忘れるよ!」

千歌「そろそろだね!えーっと……どうするんだっけ」

曜「確か、こうやって手を重ねて……」

千歌「……つなごっか」

梨子「え?」

千歌「こうやって互いに手をつないで……ね?あったかくて、好き」

曜「ほんとだ」

千歌「……雨、だね」

曜「みんな、来てくれるかな」

梨子「もし、来てくれなかったら……」

千歌「じゃあ、ここでやめて終わりにする?」

「「「……ふふっ」」」

千歌「――さあ行こう!今、全力で、輝こう!」

「「「Aqours!!サンシャイン!!」」

 

 

「「「……」」」

千歌「……!」

まばらな拍手

「「「……」」」

千歌「……!」

千歌「私たちは、スクールアイドル!せーの――」

「「「Aqoursです!!!」」」

梨子「私たちは、その輝きと」

曜「諦めない気持ちと」

千歌「信じる力に憧れ、スクールアイドルを始めました」

千歌「目標は、スクールアイドル、μ'sです!聴いてください!」

 

ダイスキだったらダイジョウブ

 

「――!!?」

「――え」

「――わっ」

「「「――!?」」」

ダイヤ「……」

千歌「……」

「……ち、千歌……」

梨子「どうすれば……」

曜「いったい、どうしたら……」

鞠莉「……」

鞠莉「……!」

千歌「気持ちが繋がりそうなんだ……」

曜「……!」

曜「知らないことばかり なにもかもが……」

ルビまる「「……!」」

梨子「それでも 期待で 足が軽いよ……」

千歌「温度差なんて いつか消しちゃえってね……」

千歌「……元気だよ 元気を出していくよ…………」

鞠莉「……」

果南「……」

千歌「……うぅっ……」

千歌「――!?」

「「「――!?」」」

千歌「……!?」

美渡「バカチカー!あんた開始時間間違えたでしょ!」

「――わっ!」

鞠莉「……!」

ルビまる「「わぁ――!」」

ようちかりこ「「「…………!」」」

ダイヤ「……」

千歌「ほんとだわたし……バカチカだ」

 

ダイスキだったらダイジョウブ

 

「「「わぁー!!!」」」

ルビまる「「わぁ――!」」

善子「……!」

鞠莉「……」微笑む

果南「……」無表情

 

ようちかりこ「「「……」」」

曜「……彼女たちは言いました」

梨子「スクールアイドルは、これからも広がっていく。どこまでだって行ける、どんな夢だって叶えられると」

ダイヤ「……」

千歌「――」

ダイヤ「これは今までの、スクールアイドルの努力と、街の人たちの善意があっての成功ですわ!勘違いしないように」

千歌「――わかってます!」

ダイヤ「……!?」

千歌「でも……でも、ただ見てるだけじゃ、始まらないって!」

梨子「……!」

曜「……」微笑む

千歌「うまく言えないけど――」

ルビまる「「……」」

善子「……」

鞠莉「……」

果南「……」立ち去る

千歌「――今しかない、瞬間だから……!」

千歌「……だから!」

ようちかりこ「「「――輝きたい!!!」」」

「「「…………」」」

千歌「……」

拍手

千歌「……!」

ED